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商品の“顔”、パッケージが売上に与える影響

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橋本:当社のお客様でも、バラを使った体臭を防ぐサプリメントでアルミの袋にシールを貼った簡素なパッケージから、バラのイラストを使ったデジタル印刷に変えたことで、それまで1個単位でしか売れていなかった商品がまとめ買いされるようになった。

つまりは、プレゼント需要を喚起したというケースがありました。ただメーカーさんは自社の商品の質に絶対的な自信を持っているので「パッケージに頼らずとも商品の品質で勝負します」という考えの方も多いです。

自社が日夜努力しているように、他社も努力をし、誰もが美味しい商品を作っている。

改めて消費者にとっては知覚できないくらいの差異しかなくなっているという前提に立つ必要がありますね。

私はマーケティングの第一歩は、お客様を知ることから始まると思っています。お客様の声を聞けば、必ず課題が見えてきて、次に自分たちが何をすべきかが見えてくるはず。

「マーケティングって何から始めたらいいの?」と思っている方も多いと思いますが、まずはお客様と定期的な接点を作り、お客様と話をすることから始めると、自分たちの思い込みに気づき、改善のアイデアも見えてくると思います。

橋本:当社は袋物、巻き取り品などの軟包装フィルム資材を製版不要のデジタル印刷で2000部、500m程度の小ロットで提供し、初期投資を抑えて商品化できるのが強みです。

最近は小ロットでまずは作ってみて、店頭に並べて売ってみる。その結果を基に、商品をブラッシュアップして、精度を高めていくという活用のされ方が増えています。

観光地のお土産品の豆入り番茶。エスプリによるパッケージ改善でお土産問屋に販路が広がり、県の観光PRにも使用されている(福井県 丸松茶舗)。

観光地のお土産品の豆入り番茶。エスプリによるパッケージ改善でお土産問屋に販路が広がり、県の観光PRにも使用されている(福井県 丸松茶舗)。

事前の調査だけではわからないことも多いですから。実際に市場に商品を投入して、市場との対話の中で、アジャストをしていく方法論は最近の新しいマーケティングの流れと思います。

私たちプラグでも、デザイン×リサーチを標榜し、デザイナーとリサーチャーが一緒に消費者が商品を買ったり使っている場を実際に見て、その場で商品開発のアイデアを形にしていくサービスを提供しています。

近年、こうした「デザイン思考」と言われる手法が世界的に広まっているのですが、そこで重視することの一つに、小さい失敗をたくさん繰り返し、知見を蓄積するということがあります。

事前のリサーチ、発売後の検証の間に、消費者との対話のプロセスを入れるアプローチは、正解の見えづらい今の時代には、適した方法だと思います。

橋本:どんなに中身が良くても、パッケージがあって初めて商品の魅力が買う“人”に伝わる。差別化の難しい時代だからこそのパッケージでの伝え方の工夫はまだまだ広がりそうです。ありがとうございました。

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小川亮氏 プラグ 代表取締役社長
キッコーマン、慶應ビジネススクール等を経て現職。プラグではパッケージを含む商品開発を支援するリサーチとデザインを融合したサービスを提供。著書に『図解でわかるパッケージデザインマーケティング』の他、マーケティングの基本を絵本で解説した『ウサギくんと少年ルッコラのマーケティングの物語 50年後も変わらない、売れるモノをつくる10の基本』がある。


小ロットを低コストで実現する 吉村の「エスプリ」

より手軽な小ロットの高品質パッケージ印刷サービス「マイパケ」。WEB経由で申し込み、印刷用データを入稿すると、2週間程度でオリジナルのパッケージが完成する。企業はもとより、誕生日、結婚式など個人での利用も広がっている。

より手軽な小ロットの高品質パッケージ印刷サービス「マイパケ」。WEB経由で申し込み、印刷用データを入稿すると、2週間程度でオリジナルのパッケージが完成する。企業はもとより、誕生日、結婚式など個人での利用も広がっている。

消費者ニーズが多様化する中で、商品ラインナップのバラエティが求められる時代。

一方で、小ロットで複数タイプの商品を試してみたいというニーズはありながらも、パッケージ印刷のコストを考えると、なかなか店頭に並べて消費者の反応までテストできるほどの試作品までは手が届かない企業が多いのではないだろうか。

そんな課題に応えるのが、吉村の「エスプリ」だ。写真印刷も含めた高品質のパッケージ印刷が小ロット(500mから)で実現。版も不要なので、ローコストで新商品のアイデアにトライができる。

さらに、完全データを入稿する「マイパケ」の場合には、アルミ蒸着袋への印刷を300枚から(単価39円)受け付けている。商品パッケージはもとより、販促・ノベルティ、新商品サンプリング用のパッケージと用途は広がる。

株式会社吉村
URL:http://www.yoshimura-pack.co.jp/