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ブランドを作り育てる10のメソッド

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編集協力:フラクタ

企業が手軽に発信できるツールが増えた一方、そこで突き当たるのが「自分たちは、どんな“キャラクター”で語ればいいんだっけ?」という根本的な疑問。そんな気付きから、ブランディングに取り組む企業が増えています。この連載では4回にわたりブランディングの実践方法について解説していきます。

はじめまして。フラクタの河野貴伸と松岡芳美です。私たちは2004年以来、WEB制作を手掛けてきたのですが、事業を通じ徐々にロゴやパッケージなどブランディングの相談を受ける機会が増え、これまで土屋鞄製作所、ジュノエスクベーグルなど決して規模は大きくないですが、ファンを魅了する約200社の企業のブランディングのお手伝いをしてきました。

連載1回目では私たちが数多くの企業のお手伝いをする中で体系化したブランドを育てるためのメソッドを10に分けて解説してみたいと思います。

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松岡 芳美 Yoshimi atsuoka
企業のブランド構築、リブランディングを専門にコンサルティング・支援を行うブランディングアートディ
レクター。
河野 貴伸 Takanobu Kouno
ブランディングのあらゆるサービス・テクノロジーを提供するFRACTAを設立。EC-CUBEエバンジェリスト。

STEP 1. ブランドの責任者を選ぶ

私たちがブランディングのお手伝いをする際、最初にお願いするのはブランドとお客様のあらゆる接点を横串を指して見ることができる専任の担当者を決めてください、ということです。マーケティングの知識の多少よりも、社内で一番そのブランドを理解している人に担当をお願いしています。

またブランディングの基本にあるのは「商売」であり、それゆえブランディングの実行は経営者あるいは経営者と密に話すことができる立場の人物を選ぶ必要があります(時に経営者がこの役割を担う企業もあります)。

STEP 2. 業界の歴史を知る
次に自分たちを取り巻く環境の分析を始めましょう。最初は自分たちが属している業界の分析から取り掛かります。

①なぜこの業界があるのか、②どのような理由によって、この業界が必要とされてきたのか、③この業界はどのような変化を経てきたのか。

これらを知ることで、この業界に求められる消費者の根本的なニーズやそれに大きな影響を与える顧客心理をつかむことができます。

STEP 3. トコトン自己分析!
次に業界から少し枠を狭めて自分たち自身を分析してみましょう。

①なぜ自分たちの企業(ブランド)があるのか、②どのような歴史をたどってきたのか、③社会における評価やソーシャルネットワーク上での評価はどうかを調べます。

現在の状況だけでなく、誕生当時にまで遡り「そもそも」を知ることが重要で、この作業により、以後のステップで発見すべき「道」が見つけやすくなります。

STEP 4. 競合との違いを冷静に見る
コモディティ化(同質化)が進む市場環境下でも、探せばどこかに必ず違いはあります。大事なことは競合と比較して自分たちにはこれが足りない、だから勝つことはできないんだ…などと悲観的にならないことです。

STEP 5. 生き残るための方法を探す
STEP2~4で得られた情報を基に、次に「自分たちがこの市場において生き残るためにはどうすれば良いか?」を考えていきます。考える上でのポイントは2つ。

①どうすれば顧客に選ばれるブランドになれるか?と②どうすれば顧客から継続的に信頼を得るブランドになれるか?です。

ブランディングとは「顧客から選ばれること、継続的に選ばれ続けること」で生き残るための方法です。

①だけでは短絡的な視点に陥りやすく、選ばれ“続ける”ためには「信頼」は不可欠な要素です。しかし②だけでは、新規顧客の関心を惹く、最初の接点を作るという観点が失われてしまう可能性があります。

≫「STEP 6. 絶対に変えないことを決める」に続く