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「なぜ今、マーケティングオートメーションが注目されているのか?」

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なぜマーケティングオートメーションが注目される?

→今、期待が集まる3つの理由
本コラムの本題である、マーケティングオートメーションに焦点を当てて動向を見ていきたいと思います。なぜ今、マーケティングオートメーションの市場が拡大しつつあるのでしょうか、また期待される理由はどこにあるのでしょうか。

その背景には、3つの理由があると考えています。

1、テクノロジーの進化が「構想」を具体化させた

たとえば、セールスフォース・ドットコムは90年代終わりに、米国でクラウドという概念を打ち出しましたが、この概念・構想も現在のようにブロードバンド環境が整ったことが普及の大きな要因であったことは間違いありません。

これが90年代半ばのように、電話回線でインターネットを利用するネットワークインフラでは実用的なソリューションではなく、普及はしなかったはずです。

つまり、テクノロジーが進化することで、これまで「構想」として語られていたことが現実化し、より多くの企業が活用できるソリューションになっていくというのは、時代の流れの中で繰り返されてきたことなのです。マーケティングオートメーションも技術的な環境が整ったことで、まさに実践のフェーズに来ていると言えます。

さらに企業を取り巻く変化の中で、マーケティングオートメーションが必要とされる環境が生まれていることも理由として挙げられます。

2、消費者接点の多様化

従来からあった店舗、人的営業などのオフラインの接点に、WEB、ソーシャルモバイルなどオンラインのチャネルが加わったことで、消費者接点は複雑化、多様化しています。

マーケティング施策も、この変化に応じて細分化していますが、どの施策にどれだけ投資すればいいのか。複雑化する施策を統合的に管理し、効果測定をし、次の施策のプランニングをしていく必要が生まれています。

データ分析に基づく仮説設計の重要性が高まる中で、従来のように、Webサイト分析、広告、キャンペーン、リスト抽出、Email配信やCRMがバラバラに運用されている状況では、リアルタイムに仮説検証のプロセスを回すことができません。

これらを一元的に管理できるプラットフォームがマーケターに求められています。そして、それを実現してくれるのがマーケティングオートメーションです。

3、CRM/SFAの導入による営業組織の課題のシフト

また、ここ10年で特にB2B企業におけるCRMやSFAの導入が進んだことも背景にあります。具体的には営業案件のパイプライン管理が多くの企業に浸透し、それまでの典型的な課題であった営業担当者の活動の抜け漏れが解消された結果、ボトルネックがその前段階のプロセスである見込み案件の発掘にシフトしている状況があります。

つまりはSFAを導入し、「バケツの穴をふさぐ」ことができたら、次は「バケツの中に新しい水を入れる」ための活動に注目が集まってきたと言えます。中でも最近は、CRMに蓄積されているリード情報に対する有効な打ち手を模索する企業が増加していると感じます。

実際に下記のデータを見ても、現在はマーケティングオートメーションではなくCRMや手作業で、マーケティング活動を管理している企業が7割にも上っているのがわかります。

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米国企業では導入が進んでいるの?

→世界的に導入は始まったばかり

デジタルマーケティングに関する議論では、よく「米国企業の方が進んでいる」という声を耳にします。

確かに、マルケトやその他の主要なマーケティング関連のソリューションも米国から生まれています。しかし、その導入においては 米国でもこれから本格化するであろうという段階で、決して日本が特別遅れているというわけではありません。

「Mintigo」の調査によれば、調査対象となった米国内の18万6500社のうち、主要なマーケティングオートメーションである「Marketo」「Eloqua」「Hubspot」「Pardot」を採用している企業はわずか3%という結果が出ています。

また導入している企業についても、その85%はEメールの配信など一部の限られた機能しか使っていないという結果も出ており、マーケティングオートメーションのポテンシャルをフル活用するのはこれからと言えます。

そのため、日本においてもそのポテンシャルを十分に理解するための情報や成功事例が不足しているのが現状ですが、裏を返せば先行して取り組みを開始し、ノウハウを蓄積していくことで、より大きな武器を手に入れることができるとも言えます。

そうした情報不足を解消し、日本のマーケターの皆さんにも、マーケティングオートメーションで実現可能なこと、そのベストプラクティスなどを共有するための環境を提供できれば、と思って始めたのが本コラムです。

次回は、マーケティングオートメーションそのものについて、より具体的な説明をしていきます


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福田 康隆(ふくだ・やすたか)
1996年日本オラクル入社。2001年より米国オラクル在米日系企業担当に着任。2004年4月より、米国セールスフォース・ドットコムにて、日本のSMB(中堅中小企業)市場でのオペレーション戦略を担当。2005年5月より、セールスフォース・ドットコム日本法人に着任。専務執行役員兼シニアバイスプレジデントとして、コマーシャル営業本部の事業を推進する。2014年6月1日株式会社マルケト代表取締役社長に就任。

マルケト
https://www.advertimes.com/special/marketo/