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全方位的なレピュテーション・マネジメント――「広報会議」編集長が語る2015年の展望

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「広報会議」編集長 森下郁恵

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2015年4月、「広報会議」は創刊10周年を迎える。

この10年で起きた広報・PRを取り巻く環境の変化を踏まえて、2015年に編集部が注目するキーワードは(1)360°レピュテーション・マネジメント、(2)インナーコミュニケーションの強化、(3)ブランドジャーナリズムの3点。

(1)については、ソーシャルメディアを通じた評判(レピュテーション)形成が企業イメージを左右する時代に欠かせない視点。従業員や関係者からの内部告発、消費者からのクレーム、「ブラック企業」といったネガティブな風評などの火種はソーシャル上で増えることはあっても減ることはない。経営トップや役員、社員によるメディアなど公的な発言の細部までも標的となっており、文字通り、全方位的=「360°」の評判形成は企業の広報のミッションとして欠かせないだろう。

そのような環境下において、見直され始めているのが(2)のインナーコミュニケーション。2014年に入り、「朝礼」「社員旅行」「運動会」「研修」といった手法が重視されるようになったという声も多く、一体感を高める社内広報活動は一種のレピュテーション・マネジメントとして機能していると言える。

4月に創刊10周年を迎える(写真は創刊号。当時の誌名は「PRIR(プリール)」)

4月に創刊10周年を迎える(写真は創刊号。当時の誌名は「PRIR(プリール)」)

(3)のブランドジャーナリズムは近年、マーケティング領域で提唱されてきた「自社サイトをメディア化する」流れ、あるいは「コンテンツマーケティング」を広報の視点に落とし込んだもの。米国など海外では先行しているが、日本企業においても自社が持ちうるコンテンツ資産であらゆるステークホルダーとの接点を開拓する流れが広がっていくのではないだろうか。

今や、テレビも新聞もネットでニュースになるネタを探す時代。企業広報の4割超がコーポレートサイトを管轄する現在(広報会議編集部調べ)、いかにニュースになる情報・コンテンツをインバウンドで仕掛けられるか。旧来のメディアリレーションズの業務を超えた、広報・PRの役割の真価が問われるようになる。