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コラム

コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常

コピーを書きに行こう。

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僕は恵比寿という街が好きだ。この街の魅力をもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思った。

きどっている、お高くとまっていると思われがちな恵比寿だけど、実はすごく下町で人情の街なんだ、ということに僕は気付いた。

街の本当の財産は、人の笑顔なんじゃないかな。えびす顔という最高に縁起の良い言葉だってある。そう考えて、「エビスのスガオに会いにいこう。エビスガオプロジェクト」というコピーを書き、恵比寿の街の魅力を発信しつづけている恵比寿新聞の高橋編集長に企画を持ち込んだ。

これはやるべきだ!と気に入ってもらって、恵比寿文化祭で展示会をするまでに。実現までに一年近くかかった。でも、この企画のおかげでこの街のことをもっと好きになった。

生きているかぎりは存分にやろう。その一心でした。

なかでも、特別に思い入れのある仕事ができたのは、大学の同級生、松居大悟監督の話。2013年の夏ごろ、松居監督がロックバンドのクリープハイプのミュージックビデオをひとつなぎにして映画にしたというニュースに釘付けになる。「自分の事ばかりで情けなくなるよ」というタイトルが胸に刺さった。羨ましさ混じりの気持ちを持てあましながら、すぐにメール「楽しみにしてます!」と。

そしたら「盛り上げたりできる?」と返信が来る。「できるはず!」と返したら「じゃあひとまず試写会に来て」という流れに。試されているなというのはすぐにわかった。「お前に何ができるの?」という挑戦状的な意味合い。

今こそ社会人になって頑張ってきた成果を出すタイミングだと思って、考えに考え抜いて企画書をつくった。緊張を抱えながら喫茶店でプレゼン。ページをめくるたびに、松居監督がだんだん前のめりに。最後に握手して喫茶店を後にした。お互いぜんぜん違う道を進んでいたのに、またすこし隣を歩けた気がして嬉しかった。

宣伝会議さんから「先輩コース」をやりませんか?とお話をいただいた時。僕が自信を持って伝えられるのは、自分の旗の立て方なんじゃないかと思った。

広告賞は生き方までは教えてくれない。そもそもゴールはひとつじゃない。コピーライターとして生き抜いていく方法、それは、自分の進みたい道を見つけることだと思う。何かの縁でこの講座を受けてくれる人の、自分の旗のつくり方、自分の企画のつくり方、自分の未来のつくり方、この3つをつくるサポートを全力でしたい。

僕の場合は、「待っていても、はじまらない。」という旗。そこからコピーを味方にしてどう突き進んでいったか。出会いは出会いを呼ぶ。自分にしかできない方法で、仕事をフルに面白くしていく。出会いのわらしべ長者のように、人と出会って仕事がどんどん繋がっていく。リレーのバトンを待たなくてもいい。自分から第一走者になってもいい。足で稼げば、手で稼げる。こんなにも可能性のあるエキサイティングな仕事はない。

さあ、コピーを書きに行こう。

阿部 広太郎
電通 コピーライター

1986年生まれ。2008年に電通入社。人事を経て、コピーライターに。東京コピーライターズクラブ会員、30オトコを応援するプロジェクトチーム「THINK30」所属。企画し、コピーを書き、人に会い、繋ぎ、仕事をつくる。言葉を味方に、大きな問題を発見して解く。全部やる。 最近の仕事は、東進「いつやるか?今でしょ!」、コロワイド「太郎割」キャンペーン、ロックバンド「クリープハイプ」プロジェクト、ミスiDオーディション「すべての女の子はアイドルである。」、映画『ワンダフルワールドエンド』「さよなら、男ども。」、赤塚不二夫のフジオ・プロ「へんな子ちゃん」編集、ルーミート(カンガルー肉)を日本に広めるプロジェクトなど。連載「待っていても、はじまらない。」

cac-j

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