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コラム

コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常

コピーを書きに行こう。

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デジタル化やメディア環境の変化など、さまざまな理由により、現代のコピーライターの仕事内容や求められる役割が変わってきた。若いコピーライターや志望者からは、目指していく方向や、身に付けなければいけないスキルに迷いを感じているという声がよく上がる。そこで今回、そういった迷いや悩みのある20代の若手に向けた「コピーライター養成講座 先輩コース」の開講を記念して、講師を務める電通の阿部 広太郎氏に仕事のブレイクスルーになったことについて語ってもらった。

【前回のコラム】「待っていても、はじまらない。」はこちら

たったひとつの成功体験が、前に進む勇気をくれる。

「太郎割」キャンペーンの仕事がうまく行った時、僕は考えた。
なんでうまくいったんだろう?僕の名前に太郎が入っていたから?いやいや、それだけじゃないはず。単なる偶然には決してしたくなかった。次の仕事につなげなければ意味がない。仕事の過程を振り返りながら、3つの発見を言葉にまとめた。企画を相手に贈る時に気をつけるポイント。

一つ目、「自分は本気か?」自分が提案しようとしているその企画、そのコピーにどれだけ思いをこめられているか。本気の一語一句は、無視されない。

二つ目、「相手は喜ぶか?」大切なのは相手が欲していたことを言っているか。独りよがりの考えを相手に贈っても、それは迷惑なだけだ。喜んでもらえさえすれば、その企画書はひとり歩きしていく。

三つ目、「ほんとに出来るか?」書かれている内容を責任もって遂行できるか。夢だけを語ってないか。無責任なことを言ってないか。本当に企画を遂行できれば、そこに信頼関係がうまれていく。

平日は会社の仕事を。休日は自分の仕事を。自分が応援したいプロジェクトに、力になりたい商品に、仕事をしたい人に、企画書をこしらえて会いにいく生活がはじまった。

友人である歌人の木下龍也君が短歌集「つむじ風、ここにあります」を出版すると知れば、応援したい、ただそれだけで広告を企画した。

「31文字の可能性。」というタグラインのコピーを書き、キャッチフレーズ自体を短歌にする企画を考えた。企画書をまとめて、飛行機で福岡の出版社へ。もちろん自腹。よくそこまでやるね!と驚く人もいるけど、そこまでする価値がある気しかしなかった。ぜひつくりましょう!という話になって、ポスターやPOPをつくった。紀伊國屋書店さんや、ヴィレッジヴァンガードさんを自らまわる。そもそも本を取り扱ってない書店さんには、置いてもらえないかという交渉をする。僕みたいな人は珍しいのか、書店員さんととても仲良くなれた。

次ページ 「僕は恵比寿という街が好きだ。」へ続く


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