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グローバル市場におけるブランディングとは?—三井化学、資生堂、日産自動車が登壇

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3月18日、WPPのグループ企業であるカンター・ジャパンとジェイ・ウォルター・トンプソン・ジャパンは「モノづくりから価値づくりへ~日本企業の知らないグローバルブランディングのノウハウ」と題したセミナーを開催した。

セミナーでは企業事例として、三井化学 新HC事業開発室Chief Innovation Officer Whole You, Inc. Chief Innovation Officerの稲垣裕美氏が登壇。「モノから始めないブランドづくり」をテーマに、企業としてのブランドを持つことは大義を持つことであると強調。三井化学でヘルスケア事業を立ち上げた経験を通じて、「日本では健康の定義が一元的だが、人生を楽しむために多様な定義があっていい。そうした企業としての思いがブランドとしての意義になる取り組みをしようと提案した。化学は物事を変換する力があり、今のヘルスケアの考えを変えていくことを目指している」「新しいブランドをつくる上で変えなければいけないのは、『カルチャー』であり、そのためには事業を通じてほかの部署を巻き込んで取り組んでいく必要がある。ブランドは社会的文化の創造者であり、いかに新しい価値をつくれるか。こうしたブランドマーケティングの資産は、価値をつくり出す人間がいるかにかかっている」などと話した。

「外資系と日系ではこんなにも違う~グローバルブランディングの考え方と取り組み方~」のパネルディスカッションには、稲垣氏に加え、資生堂 経営企画部 市場情報室長の下森清氏、日産自動車 コーポレート市場情報統括本部 グローバルカスタマーインサイツ部部長 福多信一郎氏、ジェイ・ウォルター・トンプソン・ジャパン Executive Creative Directorの曽原剛氏が登壇した。

それぞれの企業のトップは「ブランド」についてどのように捉えているかという質問に対し、「実は、資生堂はこれまで社内におけるブランドに対する意識は高くなく、プロダクトアウトの発想が主流だった。そこを徹底的に変えようと、社長の魚谷は『マーケティングとは経営そのものだ』と毎日話している」(資生堂 下森氏)、「日産のKPIの一つは、『日産ブランドが好きか』ということであり、世界中で指標として用いられている。ゴーンは『ブランドとは継続的成長のためにある』と言っており、ブランドイメージをどのように継続的にアップさせるかを常に考えている」(日産自動車 福多氏)、「ブランド・イズ・ビジネス、ブランドの成長がビジネスを成長させることだという認識している」(三井化学 稲垣氏)と答え、長年、Appleと仕事をしていた曽原氏は、「スティーブ・ジョブスの前で使ってはいけない言葉に、『ブランド』『マーケティング』『ライフ』というのがあった。彼がやっていたのはまさにそれらなのだが、それを言葉でないメッセージとして伝えることにこだわっていた」などと語っていた。