「人は戦略的にコンテンツをシェアしている」シェアと自己表現の関係性を分析——UM最新調査

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作るべき適切なコンテンツを理解し、設計するために

日本において、消費者のニーズと求められるコンテンツは、このような対応関係にある。こうした対応関係を理解することで、作るべきコンテンツが適切に導き出せる。

さらに、「消費者のニーズ」と「ブランドの課題」を掛け合わせ、コンテンツをマッピングしたのがこの図である。「認知の構築」「トライアルの促進」「理解の促進」などブランドの課題や目的に応じて、消費者が価値を認めるコンテンツは異なる(下図)。コンテンツを発信する目的をまず明確にし、その上で最も適したコンテンツの種類を選択することが、コンテンツマーケティング成功への近道となる。同調査ではまた、ブランドのカテゴリーやターゲットの属性によっても傾向の違いが見られると、指摘・分析している。

まとめ:コンテンツをシェアするモチベーションを設計せよ

これまで見てきたように、人は何となくシェアしない。コンテンツをシェアする行為は、戦略的に行われている。例えば、インスピレーションを与えるコンテンツをシェアすると、その人には「新しいことを学びたい人」「クリエイティブな考えを持った人」「自分の意見を伝えようとする人」といったイメージが醸成されると予想される。そのイメージが好ましく、ネット上で見せたい自分に近ければ、人はシェアする。

2014年に最も影響力のあるキャンペーンになった、「アイスバケツチャレンジ」は、この心理を最大限に活用した好例だろう。「ALSの認知向上というキャンペーンの目的と、周囲からのリスペクトを望む消費者の欲求が完全にマッチし、さらにそこにソーシャルメディアとモバイルテクノロジーが完璧に融合したことで、大きなムーブメントが起こりました」とパーカー氏は分析する。

アイスバケツチャレンジは、「シェアするためのモチベーションの設計」に長けていた。注目すべきは、アイスバケツチャレンジでは、コンテンツすら消費者が作っている点だ。アイスバケツチャレンジの企画者が設計したのは、コンテンツではなく、コンテンツをシェアするモチベーションだったのである。

企業やブランドがソーシャルキャンペーンを企画する際、こうしたニーズ=オンラインで達成したい個人的な目的を理解し、それらを実現する助けとなるソーシャルコンテンツを開発・提供する発想で臨むことが重要だ。日に日に長くなる人々のオンライン滞在時間と、強まるインターネット依存を考えれば、シェアしたいと思われるコンテンツを作ることは、ブランドにとって今後取り組むべき最も重要なテーマになってくるはずだ。

(取材協力:マッキャンエリクソン メディアブランズ マーケティングサイエンス局 山本博子氏、関口しのぶ氏)


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