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コラム

右脳と左脳の間のほじって食うとこ

のどぐろ定食と「デジタル人材」の間

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【春子】
たとえば、どんな人なんですか?
【先輩】
お前、やけに聞きたがるな。
【春子】
あ、いや、こういうタイミングにいろいろ学んでおこうかな、と思って……。
あ、ノドグロこっちでーす!って、ノドグロちっちゃ!
【先輩】
高いのに文句言うなよ。
【春子】
先輩の鮭おいしそうですね~。
【先輩】
あとでちょっとやるよ。
【春子】
うーん、たとえば、去年、カンヌとかいろんな賞とったすごい人がいるじゃないですか。
ああいう人?
【先輩】
そうそう、彼みたいな人だ。
あとあれだな、究極を言えば、マーク・ザッカーバーグみたいな。
【春子】
Facebookの?
【先輩】
そう。技術だけでも、コンテンツの発想だけでもなく、その両方。
【春子】
ああ、観ましたよ映画。あれですよね。大学生の時、女子学生の顔リストつくって、生徒に投票させてた人でしょ?
【先輩】
そうそう。
【春子】
そのときは、ザッカーバーグはザッカーバーグじゃなくて、単なるイタズラしたプログラマーじゃないんですか?
【先輩】
そのときだったら、ザッカーバーグもウチ受からなかっただろうけどな。
【春子】
げええ。メッチャ狭き門ですね、それ。そんな人、地上に存在しないんじゃないですか?すでにスタートアップベンチャーの役員とか、そういう人でしょ?…こないんじゃないかなー。そんな人。
【先輩】
のどぐろって、別にのど黒くないんだな。
【春子】
口の中ですよ、黒いの。
【先輩】
新卒は結構いるんだけどなー。そういう可能性を持ってそうな人材。
【春子】
ああ慶応のSFCとか。
【先輩】
そうだな。あそこは、狙いすましたように、こちらが欲しいような人材が、可能性としてゴロゴロしてるんだよなー。
【春子】
もしかして、本当に狙いすましてたりして。
【先輩】
まさか。

 

●  ●  ●

 

【春子】
先輩、たとえばですが、私がその「デジタル人材」だったとしたら、どうします?
【先輩】
へ?
【春子】
私「春子」って名前でしょ。実は、死んだお父さんが、サーバーサイド言語の「Perl」にゾッコンになって、「お前はPerlを使いなさい」と「Perl子」からきてるんです。だから、Perlバッキンバッキンに書けます。
【先輩】
……。
【春子】
私、さっきから、ちょこちょこ詳しかったですよね。それは、そういうワケなんです。あと私、SFC卒業ですよ。
【先輩】
でも、お前の採用、オレやったけど、そんなそぶりは一切……。
【春子】
言ってませんでしたからね。あと、選定の基準に「どれか一つの言語、たとえばObjective-C, Java, Ruby, Pythonなどの言語に精通しているとポイント高し」と書いてあったんで。それたぶん、別の部署の人が書いてよこしたものですよね? 先輩みたいな人事担当はPerl知らないんじゃないか、と思って。RubyやPythonは後発の言語だから、わかりますよ。ふつうのエンジニアだったら、よっぽど私のほうが、業界のイロハもわかるし、デジタルサイネージとかも詳しいし、私でもいいのかなあ、と思って。
スケールすると思うんですよね、私の場合。
あ、ポートフォリオ、見ます?
【先輩】
ちょ、ちょっと待って。確認してくる。おごりだ。ごちそうさま!

 

 

まさか、こんなことで、効いてしまうとは。

私、趣味でGIZMODO読んでたり、池澤あやかちゃんの「ガチでギークな日々」見て、マネゴトしてただけなんだけど。実は春子って名前も、普通に春に生まれたからだし。
 でも、びっくりした。最近のプログラミング言語って、本当に簡単に、誰でも書けちゃうんだよね。
 大学でちょっとかじった人にとっては、このくらい常識なんだけどな……。やっぱ、デジタル人材を採用したいのなら、採用する人もそういう人間じゃないと、だまされちゃうのかなあ。中途の「デジタル人材」採用って、とっても狭き門なのに、新卒や若者で「可能性」で採用される人にとっては、正直チャンスかもね。

さ、Amazonで「Perl入門」買ってこよーっと。

※この話は、フィクションです。