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コラム

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任天堂—DeNA、テレビ朝日—サイバーエージェント、バンダイナムコの著作権開放にみる協業の時代

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サイバーエージェントと組む道を選んだテレビ朝日

この記事を執筆中の3月31日にまたもやビッグニュースが到来した。それがサイバーエージェントとテレビ朝日、共同出資による新会社2社設立に関する基本合意というものである。両社で設立する株式会社AbemaTV(アベマティーヴィー)は、スマートデバイス向けネイティブアプリとして、様々なジャンルの専門チャンネルを有するサブスクリプション型(定額制)動画配信のプラットフォームを開発するということである。もう1社については名称が未定とのことだが、その動画配信プラットフォーム「Abema」の上で展開するチャンネル第1弾として、ニュース専門チャンネルを運営するという。こちらもテレビ朝日が保有する報道や番組制作におけるノウハウを活用した企画制作を行い、サイバーエージェントが保有するスマートフォンサービスの運営実績および潤沢な開発リソースを活用し新しいニュースコンテンツを提供していくということであり、お互いの強みを掛け合わせた仕組みとなる。

テレビのコンテンツに関しては2012年に日本テレビが日本の営業権を買収し、最近ユーザー100万人を突破したHuluがNHK、TBS、フジテレビ、テレビ東京などのコンテンツを展開するほか、テレビ朝日もコンテンツを供給することになるということで、今秋の日本上陸が推測されているNetFlix社を迎えようとしている。ゲームに次いでテレビもその流通経路とビジネスモデルを大きく転換し始めたとみて良いであろう。

クリエイターに広く門戸を開いたバンダイナムコ

テレビ朝日とサイバーエージェントの発表の直後に筆者の目に留まったのが同日に発表されたバンダイナムコゲームスのカタログIPオープン化プロジェクトであった。こちらは特定の企業と組んだ任天堂と違い、4 月下旬バンダイナムコゲームスのカタログ IPを国内のクリエイターへ開放するというもので、対象タイトルは「パックマン」「ギャラクシアン」「ゼビウス」「マッピー」など全 17 キャラクター。通常の版権許諾とは異なり、キャラクター監修は行わず、 簡易的な企画審査のみでコンテンツ提供が可能となるということである。現在稼働していない資産をスマートフォンアプリやブラウザゲーム、デジタルコンテンツの領域で広く活用してもらいたいという新しい取り組みである。

次ページ 「なじみのあるものを新しいプラットフォームに展開するとうまくいく?」へ続く