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コラム

コピーライター養成講座 講師・卒業生が語る ある若手広告人の日常

松下先生とシャープペンシル。(「自称」脱却大作戦2)

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コピーにルールなんてない。

松下先生(一番奥)を囲んで。修了後の今でも、受講生の呼びかけに気軽に応じてくださいます。「“先生”という敬称は使わないで」と言われていたんですが、やっぱり使ってしまいました。重ね重ねスミマセン。

松下先生(一番奥)を囲んで。修了後の今でも、受講生の呼びかけに気軽に応じてくださいます。「“先生”という敬称は使わないで」と言われていたんですが、やっぱり使ってしまいました。重ね重ねスミマセン。

失意のまま迎えたある日の講義で、某商品広告のボディコピーを書く課題が出されました。

出題者は松下武史先生。鋭い眼光に艶やかなロン毛、派手なファッションに身を包み、いかにも“本物”のオーラを漂わせるコピーライターです。

この頃の僕は、いい意味で開き直っていました。別に鉛筆を狙ってコピーを書いたってしょうがない。そんなことより、商品の価値にきちんと向き合い、その商品がもたらすであろう新しい暮らしを描き出そう、と。今思うと当たり前のことなのですが、いつの間にか鉛筆を欲しい気持ちばかりが先走り、大切なことを見失っていたわけです。

「この商品を手に入れたら、どんな楽しいことが待っているだろう」「どんな風に使ったら、機能を最大限に活かせるだろう・・・」商品のスペックをじっくり調べ、想像力をフル回転しながら、何度も何度も書き直しました。

そうして書いたコピーで、初めての鉛筆を獲得。しかも、松下先生が特に優秀なコピーにだけ贈る「TM賞」(勝手に名づけました。スミマセン)のシャープペンシルまでいただきました。

「起承転結とか、序論・本論・結論なんて、忘れてしまって結構。いきなり結でもいいし、いきなり本論でもいい。ターゲットの心を掴むのに、ルールなんてない」
講義で松下先生が仰っていたことです。

それまでの僕には、なんとなく「広告コピーってこういうもの」という決めつけがあったように思います。でも、それは単に「コピーっぽいもの」であって、「コピー」ではなかったかもしれない。僕が「コピーを書こう」として書いていたコピーは、もしかするとコピーに似せただけの、空っぽな言葉であったかもしれない。

そう、ルールなんてないんだ。

大切な気づきを得たこの講義以降、鉛筆も順調にもらえるようになりました。
「自称コピーライター」脱却への第一歩になった記念のシャープペンシルは、ついルールに収まろうとする小さな僕を、いつもそばで勇気づけてくれています。

藤倉 郁浩(ふじくら いくひろ)
株式会社グラフィック 東京支店 東京デザイン課所属。ディレクター、コピーライター。

北海道札幌市生まれ。武蔵野美術大学卒業後、出版社勤務を経て現職。主な受賞歴は、第51回宣伝会議賞 シルバー、第52回宣伝会議賞 協賛企業賞、第5回販促会議企画コンペティション ファイナリスト他。2013年宣伝会議コピーライター養成講座上級コース修了。好物はビールと魚介類。

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