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マーケティングオートメーションのビジネス的価値とは?——マルケト米国イベントレポート

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広告とモバイル領域の強化を発表

カスタマージャーニーを把握し、エンゲージメントを高める方法として、今回マルケト社は、同社サービス「エンゲージメントマーケティングプラットフォーム」について5つの新サービスを発表した。特に注目なのが「LinkedInとの提携をはじめ広告領域の強化」である。

米国ではビジネスに欠かせないLinkedIn。マルケト社は彼らと提携することで、特に、B2B企業向けに顧客のエンゲージメントを高めるサービスを提供できると述べている。

例えば、ある顧客がGEのWebサイトを訪問しホワイトペーパーをダウンロードする。数日後、顧客はLinkedInのページを訪問すると、彼はLinkedInのページ上で、以前チェックしたGEの商品広告やウェビナーの情報を見ることになる。GEのマーケターは「マルケトとLinkedInのシステムの統合により、その顧客の興味のある情報をLinkedIn上で提供することができる」と話す。

日本では、知名度はあるもののLinkedInはまだまだ普及してない。ただ、海外での展開や、今後LinkedInの使用ユーザーが拡大に伴い、この機能は効果的な役割を果たすであろう。

また、同社はすでにGoogleアドワーズやFacebook広告と連携しており、今後、同一のプラットフォーム上で複数の広告配信が行えるようになるという。こうした広告をオフラインの購買情報と紐付けすることで、どの施策が実際に成果に結び付いたのかを計測できるなど、マーケターのメリットは大きい。

今回発表された、その他のサービスは以下の4つ。①スマートフォンでのサービス強化、②モバイル上でマーケティング施策の状況を確認するツール提供、③営業向けの分析ツールの強化、④Marketo Calendar HDである。すべてを通して感じたのは、マーケター及び営業担当者のことを考えたサービスであるということだ。以下、特に使ってみたいと感じたサービスの詳細を紹介する。

1. スマートフォンでのサービス強化 −プッシュ機能

日本では馴染みがあるプッシュ機能だが、この機能の優れた点は「簡単にターゲットにアクセスできる」「他のキャンペーンと紐づけて使用できる」ということだ。

デモンストレーションを見て驚いたのだが、メールを送るかのように簡単にターゲットを絞り、メッセージを打ち込みクリックを押すだけでプッシュ通知を送ることができる。ターゲットはSNSに基づいた分析から選ぶことができるのも魅力的だ。

また、例えば「既にキャンペーンについてのメールを送付したものの、メールを開封していないユーザー」にプッシュ通知を送ることができるなど、クロスチャネルで使用することもできる。

2. 営業活動との統合

収集したデータを営業活動に充てることができる機能は、B2B企業にとって特に効果的であろう。営業担当者はマルケト社が分析したリストから、どのユーザーがどの程度興味があるかをリアルタイムで把握することができ、ユーザーにあわせた営業活動を行うことができる。

また同社は今回、スマートフォンアプリの操作性にも力を入れており、例えばエンゲージメントの推移のグラフをタップ一つで確認できたり、ストレスフリーな情報確認を外出先でも可能とした。

3. カレンダー機能による情報共有の円滑化

今回の新機能で新たにMarketo Calendar HDという機能が加わった。この機能を使用することによって、個人のスケジュールの共有だけでなくキャンペーンやロードマップの進捗、また設定した目標に対しての現在の状況をリアルタイムで確認することができる。さらにHDとつなぎ大画面で確認することができるので、会社に設置しメンバー全員が状況を確認しておける状況をつくることができる。

この「全員が見える状況をつくる」というのは古典的なようにも思えるが、実はかなり効果が高いのではないだろうか。というのも、「情報共有」や「意識の擦り合わせ」のためのミーティング、さらにその報告のための「資料作成」に時間をとられているマーケターも多いはずだからだ。

まとめ

マルケト社のサービスは、「マーケターのことを考え抜いた」非常に精度の高いサービスだと感じた。B2B、B2C、企業の規模に関わらず有効活用できるように思うが、営業活動との統合を鑑みると、特にB2Bで効果的であろう。

マーケティングオートメーションを使用することで、マーケターは今までメッセージの配信先の管理やユーザー分析、情報共有や進捗確認のミーティングに割いていた時間をコンテンツ制作により使えるようになる。またマーケティング活動を営業活動に活かすことができるのも非常に魅力的であろう。日本でのマーケティングオートメーションの導入は米国と比べると、まだ普及段階にあるように感じる。

しかし、ロジカルにターゲットに情報を届け、クロスチャネルで使用できるこのサービスは日本の会社に多くのビジネス的価値を与える。なぜなら、論理的に説明でき、効率的であり、かつ営業支援にもなるという日本企業が好む点を網羅しているからだ。今後ますます多くの企業でマーケティングオートメーションの導入が加速していくことが予想される。

文・btrax 佐藤三保子(さとう みほこ)
1986年生まれ。慶應義塾大学文学部卒。ソフトバンクに入社、営業としてスタートした後、5年間マーケティング業務に携わる。ブランドマネジメントやマーケティング戦略をはじめWeb、イベント、店頭を含むマーケティング全般を担当。現在は米国サンフランシスコの大学院でマーケティングを学ぶと同時にクリエイティブ・エージェンシーbtrax(ビートラックス)で修行中。
会社URL :http://btrax.com/jp/
会社ブログURL : http://blog.btrax.com/jp/


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