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コラム

右手に常識、左手に非常識。――関西「広告」クリエイティブの源泉  

志は高く、目線は低く。

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リラックスして考えることについて。

普通の心で考えることと同じように、リラックスして考えることもとてもたいせつなことだと思っています。リラックスして自然体でものごとを考えることはあんがい難しいことです。考えるときにはつい余計な力が入ってしまいがちで、そういう状態ではいいアイデアはなかなか浮かんできません。

当時の僕たちの打ち合わせ時間はひじょうに短かったです。各人が企画をそれぞれ考えて持ち寄り、いいものはいい、あかんものはあかん、という具合でだらだらとはやりませんでした。人間の集中力には限界がありますしね。

で、企画の打ち合わせが終わると世間話が始まります。いわゆる井戸端会議状態です。人の失敗話とか街で見かけたへんな人の話とか、まあいろんな話が入り乱れてすごくもりあがるわけです。そういうときに、「あ、こんな企画どうやろ?」と誰かがアイデアを思いつくことがよくありました。

みんなであほな話をして笑ってるうちに、全員の気もちが自然にリラックスしてくるんだと思うんです。前もって各人がいろいろ考えてきてるから、そういうリラックス状態のときに、何かと何かが化学反応を起こして、とつぜんアイデアが発火するんじゃないか、と。

実は、今回ご紹介した貧乏神の企画も、石井さんと僕との打ち合わせ後の雑談中にできました。

打ち合わせを終えて、若い女性から借りたへんな人形を二人で見ながら、

「気色わるい人形やなー」
「なんで、こんな人形が流行るんやろ?」

みたいな会話をしているときに、

「あ、関空ができて景気がよくなって、貧乏神がたまらず関西から出ていく」

という企画はどうやろか?となったんです。そこからは、ほんの数分で企画にまとまりました。

一人で孤独に企画するという時間はもちろんだいじだと思いますが、みんなでリラックスしながら考える時間もだいじだなあと思います。

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