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「専門性」へターゲティング、LinkedInの存在感増す 東芝が活用を本格化

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企業間(B to B)マーケティングで、ビジネス向けSNS「LinkedIn(リンクトイン)」の存在感が高まってきた。商材に適した調達担当者へアプローチするために必要な、「所属企業」や「肩書」、「仕事の専門性」といったデータが、フェイスブックやツイッターとの競争力の源だ。

「リード・アクセラレーター」は、LinkedInのデータベースを活用したサイト訪問者の属性分析もできる。東芝はほかに、LinkedIn上でターゲットを絞った企業情報を発信する「ショーケース・ページ」や、スライド資料や動画などを配信する「スライド・シェア」なども活用している。

東芝は5月、B to B事業のマーケティングにリンクトインの広告向けサービス「リード・アクセラレーター(Lead Accelerator)」の導入を発表した。目的は、社会インフラを情報技術で管理する「スマートコミュニティ」事業の認知拡大・見込み顧客の獲得だ。自治体や企業でインフラ計画を担当する幹部層などがターゲットとなる。

「リード・アクセラレーター」は、企業Webサイト訪問者とLinkedIn上の利用者データをもとに、アクセスされたWebページ中の広告や情報内容を変えられるサービス。例えば、「機材の購買担当者が料金比較ページを訪れたら、専用のディスプレー広告やページコンテンツを表示させる」といったことが可能になる。訪れた回数に応じて段階的にメッセージを変えることもできる。

東芝は5月5日、B to B事業の認知度向上を目的として、スマホ、タブレット、パソコンを問わず、「ビジネス」メディアなどへネイティブ広告の出稿も始めた(青枠内が東芝のネイティブ広告)。中でも、情報接点として拡大しているのは「モバイル端末」だ。東芝・デジタルマーケティング推進室の荒井孝文氏は、「東芝の企業向けマーケティングWebサイトでも、海外訪問者の半数以上がモバイル端末でアクセスしている」と明かす。

リンクトインのアジア太平洋日本地域マーケティングソリューション事業部部長、オリビエ・ルグランド氏は、「このところ顧客は、検討を終えて心を決めてから取引先にアプローチする傾向がある」と話す。実際、米国のマーケティング顧問会社CEBの調べでは、「B to B取引では、商談前に購買するかを決める担当者が半数を超える」という。

「マーケティングをしかける側にとっては、顧客がどこから来ているのか、はっきりと知ることができない。わかっているのは、顧客は自ら積極的に下調べをしていることだけだ。だからマーケター側は、オンライン全体で潜在顧客を育てる必要がある」(同)。

同社の広告事業にあたる「マーケティング・ソリューション事業」の2015年第1四半期売上高は約142億5000万円(1億1900万ドル)で、前年同期比40%増と急伸した。LinkedInは世界で3億6400万人の登録者を持つが、国別では米国が最も多く1億1500万人。次いで、インドが3000万人、ブラジル2100万人、英国1800万人と続く。マーケティング活用には「利用者が職能を詳しく登録したデータ」が要となるが、日本はタイなどと並んで100万人規模にとどまっている。


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