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コラム

広告のやり方で、スポーツを創ってみた。

スポーツで笑顔にする。ではなく、笑わせる。

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【前回のコラム】「キャッチコピーではなく、キャッチ概念を書く。」はこちら

4月10日に、
「世界ゆるスポーツ協会」という団体を
立ち上げました。
「変な名前だね」と頻繁に言われます。
言われすぎて吐きそうになるくらい言われます。
何故このネーミングなのか。
それは、
「国際ゆるスポーツ協会」「日本ゆるスポーツ協会」
よりも「世界」を使った方が
ちょっとユーモラスに見えたからです。
それは、スポーツとしての敷居の低さにも繋がります。
笑いの力は、偉大です。

そもそも僕は、
数年前までは「CMプランナーの澤田です」
と名乗っていました。
(今ではほとんどその影をひそめていますが)
主に制作していたのは、
いわゆるギャグ系CMです。
ただ、元々人を笑わせることが得意ではなかったので、
「笑いの研究」を継続的に行っていました。
その結果、
笑いには何パターンかあることが分かりました。

例えば「いないいないばあ!」で赤ちゃんが笑うのは、
典型的な
地獄から天国へ急上昇パターン
です。
「いないいな〜い」で大好きなパパやママが
手の奥に消えてしまう。
「あれ…パパ…ママはどこでちゅか?」
「宝物って呼んでくれた僕を独りぼっちにするでちゅか?」
瞬間的に地獄状態が生まれます。
その直後です。
「ばあ!」
パパやママとの再会が急に訪れます。
しかも普段よりも変な顔の、
楽しいパパママと。
この時赤ちゃんの気持ちは、
地獄から一気に天国へと跳ね上がります。
緊張していた心身が、一気に弛緩されます。
その時、笑いが生まれます。
緊張していた分の神経や筋肉をリセットする為に
笑いという逆の精神的・肉体的作用が生じるだとか、
色んな医学的な説があるそうですが、
そこは一旦置いておきましょう。

また、その他、

身分の大逆転パターン

というのもあります。
例えば古典的な笑いの手法である、
「権力者がバナナの皮で滑って転ぶ」
という状況。
これは、無条件に笑えます。
何故でしょうか。
人間界には、必ず階層があります。
強弱があれど、どの社会にも優劣が存在します。
自分より上の立場の人は、
自分にとってはストレスの対象となる事が多く、
つまりは人生のネガ要素でもあります。
そんな偉い人が、バナナの皮で滑って転ぶ。
これって、身分の大逆転劇が
起こることなんです。
その瞬間、その優位性を実感したくて、
人は笑うのです。
ははは、と。
「自分はこの人より偉いんだ!例え今だけでも!」
という余裕と安心感につながるからこそ、
笑いが生まれます。

こういった笑いの理論を如実に反映させた仕事があります。
天丼てんやさんとやらせて頂いた
「エビメタ・バンド」というプロジェクトです。

次ページ 「笑える音楽をつくった結果。」へ続く