佐藤可士和氏が語る「モルトベーネ」40周年社名変更プロジェクト、中田ヤスタカ氏との初タッグも実現

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会見に登壇した佐藤可士和氏、ビューティーエクスペリエンスの福井敏治社長。

モルトベーネは4月1日、創業40周年を機に「美の体験」を意味する「ビューティーエクスペリエンス」に社名を変更した。6月3日には都内でプレス向けにお披露目の場を設け、社名変更を含む一連の企業ブランディングプロジェクトは佐藤可士和氏が手掛けたことが明かされた。

さらに3日にはコーポレートサイトをリニューアル。トップページ全面に1分間のブランディングムービーを流しているが、このサウンドは中田ヤスタカ氏が手掛けたことも発表された。同社では過去にも中田氏と製品面でコラボレーションの実績があることから、国内のトップクリエイター同士のコラボレーションが実現した形だ。

映像制作も中田氏が所属するアソビシステムによるもので、佐藤氏は「(中田さんは)今の時代の感覚を捉えたクリエイター。一度、一緒に仕事をしてみたかった。企業理念のビジュアル化はコミュニケーションとして有効であり、新たなチャレンジをしていただいた」と記者発表の場でコメントしている。

佐藤氏はこのムービーの終盤に、ビューティーエクスペリエンスのロゴがフェイドアウトするシーンについても触れ、「美しいものの“儚さ”を表現した。美しいものはキープし続けるのは難しい。だからこそ価値がある」と述べた。

新社名候補は1227案、なぜ社名変更という大決断に至ったのか

3日のイベントは「~創業40周年記念~新ブランディングプロジェクト・新製品・新書籍 体験型発表会」と題され、新社名にある「エクスペリエンス(体験)」を重視した10の展示が用意された。プレス向けの会見では同社の福井敏浩社長から、新社名に込めた思いが語られたほか、佐藤可士和氏とのトークセッションの時間が30分設けられた。

福井社長は「今回のプロジェクトは2013年8月にスタート。新たな社名は1227案の中から選ばれたもの」と説明。佐藤氏との面識はなく、メールでのアポイントの依頼から始まったという。

ビューティーエクスペリエンスの福井社長。新たなコーポレートカラーの紫をファッションにも取り入れた。

「1対1で可士和さんと話をさせていただき、最初に『福井さんにとっていちばん大事なブランドは何か』と、聞かれたんですね。そこで私は即答できなかったんです。本来は『モルトベーネ』と言うべきだったが、当社の場合は企業ブランドより製品ブランドが先にでてきてしまう。企業ブランドにまだまだ力を入れてなかったと気づきました」(福井社長)。

佐藤氏はオファーを快諾した理由について、「福井さんは若い社長であり、新しい日本を作っていく人だと感じた」とした上で、企業経営におけるブランディングの重要さに言及している。「今は企業経営においてミッションやビジョンが大事であり、我々はこういうことをやっていくんだ、という宣言をしていく姿勢がとても大事。それがないと、結局は何を目指している会社かわからない。社会へメッセージを発信していくべき」と強調した。

そのようなコミュニケーションの見直しについて話を進めるなかで、自然と社名変更という選択肢がでてきたという。なお、「ビューティーエクスペリエンス」は親会社の商号にあたるもので、旧社名のモルトベーネは、サロン向け商品を扱う事業会社「モルトベーネプロフェッショナル」の商号として引き継がれる形だ。

ミッションが凝縮された社名、グローバルへ日本の美意識を発信

今回の新社名の基盤となったミッションステートメントによると、「私たち(モルトベーネ)が生み出すもの、それは新しい美の体験」「製品もサービスも、すべてはそのためのメディア」「驚きと喜びをデザインする」といった思いが込められている。これまで同社が取り組んできたことと、これから取り組みたいことを明文化し、コンセプトとしてまとめたものだ。

「これを要約したのが、ビューティーエクスペリエンスという社名。社名がそのままコンセプトになっている。これからグローバルの市場を目指していく会社として、日本の“カワイイ”だけではなく、“美しい”という日本の美意識を伝えていければ」と佐藤氏。

当日はプレスや取引先向けの新製品の発表の場も兼ねており(以下写真)、展示会場の演出からお土産やコンセプトブックのアイデアまで、佐藤氏が関わった。


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