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ボルボとプジョーの成功事例に学ぶ、デジタルPRでブランド体験を広める方法

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デジタルPRに期待すること

大久保:こうした新しいデジタルPRに期待していることはどんなことでしょうか?

プジョー・シトロエン・ジャポン 広報室長 城 和寛氏

プジョー・シトロエン・ジャポン 広報室長 城 和寛氏

城:私たちのブランドはかねてよりブランド名の認知の面では比較的高い数値がでるのですが、その深度を測ったり、純粋想起を調べたりすると、低いという課題がありましたので、マスメディアよりもデジタルなどのセグメントされたメディアを積極的に活用して来ました。

その結果、試乗予約や資料請求、セールスマンへのコンタクト希望など、行動を促すことにデジタルが長けていることを実感しました。ただ、年に1回実施している調査では、ブランドとして記憶に残すことはデジタルが不得意かもしれないという結果も出ています。

そこで、デジタルメディアが提供する行動を促すメディアとしての長所と、実際の製品と提供されるブランド価値を五感で感じてもらう体験を組み合わせたコミュニケーションミックスを構築しようとしています。

ボルボ・カー・ジャパン マーケティング部 ディレクター 関口憲義氏

ボルボ・カー・ジャパン マーケティング部 ディレクター 関口憲義氏

関口:まさに、エクスペリエンスデザインですね。デジタルは行動履歴を元にしたターゲティングなど、個人に最適化した広告やプロモーションが行える非常にパーソナルなメディアです。

一方、ブランドの価値を一気に高めるためには、広く認知してもらわなければいけません。そういう意味では、デジタルとマスメディアとの住み分けが必要ですね。

城さんがお話されたことは、私の立場からすると、ブランドとしてどう記憶に残す体験をつくることができるのかが重要だと理解しました。

PR TIMES マネージャー 大久保麻子氏

PR TIMES マネージャー 大久保麻子氏

大久保:デジタルメディアが普及したことで、消費者が購買にいたるカスタマージャーニーが変化しています。車においても、検討のフェーズでさまざまな情報が入手できるため、店舗に訪れる際は、すでにどの車を買いたいのか決めている、といったケースも増えているのではないでしょうか。

デジタル上で、消費者に提供している情報について教えてください。

城:プジョーやシトロエンという車のことを伝えるまえに、本国であるフランスの文化や価値観について共感してもらいたいと思っています。

フランス人はとても日常の生活の中にある美に敏感ですし、日々とても幸福感をもって生活しています。まずはフランスについて共感してもらえば、自然と選択肢としてプジョーやシトロエンが出てくると思っています。

オウンドメディアの上でも、フランス文化について発信し、理解を促すための展開をすることが重要です。

関口:城さんのおっしゃるとおりですね。私たちもスウェーデンのブランドですので、「スウェーデンらしさ」を伝えることには特に注力しています。

また、最近私たちが力を入れているのが「ボルボアンバサダー」です。これは、実際にボルボに乗っている著名人のオーナーに生活のなかで発信してもらったり、当社のホームページで関連したコンテンツを掲載したりする活動です。

大切にしていることは、ボルボ車への不満も含めて、思ったことを自由に書いてもらうことです。デジタルは全てが透けて見える世界ですから、嘘はすぐにバレます。

城:そうですね、表面的な情報だと、逆に批判が拡散されてしまう危険性があります。

ですからブランドを理解しているオーナーが自由に書くということは、とても重要だと思います。もっと言えば、情報を発信せずに、ボルボに乗って出かけてくれるだけでいいということですよね。その様子を見た人々が、話題にして発信してくれる可能性もあるわけですから。

大久保:たしかにそうですね。「1億総メディア」と言われるように、最近のデジタルPRは個人から個人へ情報が伝播していくこと、そして、その伝播の中で、ニュースメディアでの露出コンテンツ、露出タイミングなど含め、しっかり設計したものが成功事例として出てきています。

デジタルPRが増えていくなかで、既存のメディアを活用したPRにも変化が起きているように感じます。

城:はい。モータージャーナリストが専門的見地と経験から雑誌などの専門メディアで発信していくことは、伝統的な仕組みですが、依然として大きな影響力を持っていることは事実です。我々としては、きちんと関係を構築していくことが大切です。

ただ、昔と比べるとそうした方たちが一般のお客さまに与える影響は全てでは無くなって来たようにも感じます。一概には言えませんが、購入を検討される方の知識レベルがとても高く、メーカーの僕らよりも車について深い知識を持っている。

いまはデジタルを使えば、知りたいと思ったことをすぐに深く調べられますし、オーナーの方々が体験した情報が発信されている。

しかも、自分たちが発信側という立場に居ることも十分に理解されている。これは、車メーカーにとって、新しい環境です。もしかしたら、パンドラの箱を開けてしまったかもしれないけれど、一度開いた以上はその状況に対応しなければいけません。

関口:私の部署が専門にしているわけではないのですが、Webメディアをはじめデジタルに最適化した新しいジャーナリストが登場しています。

その方たちは、海外の新型車の試乗会に行くと、帰りの飛行機の中で原稿を書き、Wi-fiで日本に付く前にサイトにアップしている。そういうスピード感でお仕事をされているので、私たちもそれに合ったお付き合いをしていかければいけないと思っています。

大久保:本日はありがとうございました。PRがもともと得意な商品認知やブランド認知の向上のみに留まらず、個々のカスタマー・ジャニーのデザインまで、非常に示唆に富んだデジタルPRの活用法をお話いただきました。

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