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「リスクフルな社会を生き抜く企業に、報道されないドラマがある」——『リスクの神様』プロデューサーが伝えたかったこと

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青臭い正義論では終わらない 複雑な葛藤が企業にはつきもの

——経営陣も危機対策室も骨太な俳優陣ばかりで、その中で奮闘するエリート女性社員・神狩かおり(戸田恵梨香)の立ち位置は面白いですね

(C)フジテレビ

そんなに男っぽい話を目指していたわけではないのですが、結果的にそうなりました(笑)。企業が舞台のドラマとなれば、単純な青臭い正義論では済まされないこともあると思うんです。企業経営の危機となれば、清濁併せ呑まなければならない場面も多い。

原因は何であれ、ひとたびリスクに陥ったら社員も企業も元通りにはなりません。
「すべてを失いたくないから」と守りに入ってしまうと、結局、逃げの姿勢を見抜かれて叩かれてしまう。仮に責任を負うような立場ではなかったとしても、真実を優先させることで企業がさらに危機に陥ることもあります。そういう複雑な葛藤があるから、凄く人間的なドラマになる。その中で戸田さんが演じる「かおり」はこのドラマに自由な視点を与えてくれていると思います。

一般論かもしれませんが、能力のある女性は下手な社内政治をしないぶん、真実が一体どこにあるのか、見えていることが多い。彼女は30歳の設定なのでキャリアも積んでいて、大人の世界がそんなに綺麗ではないことも分かった上で、男社会から一歩距離を置いています。

だからこそ第一話で挫折を味わったわけですが、そこから彼女の目線で物語は進んでいくし、硬直化した組織が危機を生んでいくようにも見えるかもしれない。その過程を皆さんに楽しんでほしいですね。


『リスクの神様』監修者 白井 邦芳さん(危機管理コンサルタント)のコラムはこちら