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コラム

PRの現実と理想の狭間でー業界歴23年、PRパーソンの試行錯誤ー

悩み続けて20年、PRパーソンの僕が考える、パブリック・リレーションズ発想をマーケティングに活かす道

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「ツッコミどころ」、「ギャップ」をつくる

広がるコンテンツをつくるポイント、コアアイデアの発想法として、やはり「ツッコミどころ」というキーワードが議論の中でもよく出てきます。

もちろん企業やブランドによって、トンマナの違いはあると思いますが、消費者が思わず発信したくなってしまう状況をつくるには、ただ面白く反応をするスキがあるというだけでなく、「この企業やブランドが、ここまでしちゃうの?」というギャップや意外性なども重要なのだと僕は感じました。

特にすでに認知度の高いブランドの場合、既存のブランドイメージとギャップがあったほうがソーシャル上では広がりやすいのではないでしょうか。

用意した「ツッコミどころ」に対して、「のっかる」「かぶせる」など、消費者からの共感・共鳴を得ることで、自走するブランデッドコンテンツが完成するのかもしれません。

ブランデッドコンテンツなんて、もう古い、イマドキでないという声もあります。確かに、広告枠に囚われないブランドに関する活動・コンテンツという考え方はとりわけ新しいものではありません。

しかし日本において、ブランデッドコンテンツはまだまだ黎明期なのではないかと僕は感じています。

ブランドが全面に出る、ブランドが主語になる、といった時に、どうしても「伝えたいメッセージ」を中心に考えてしまう場面は、まだまだ多くあります。

消費者が面白いと思うのか、またそれをソーシャルメディアなどで伝えたいと思うのか、マスメディアはその話題を取り上げたいと思うか、世の中の流れと逆行していないか。さまざまな関与者のインサイトを探りながら、そのブランドとつながっていくようなコンテンツを開発することに関しては、挑戦は始まったばかりです。

そして、こういったパブリック・リレーションズ発想でブランデッドコンテンツをつくり、それを広めていく情報設計を行うことができるのは、たえず消費者のことやマスコミのこと、世の中のことを考えながら、現場で働くPRパーソンなのだと思っています。

これが20数年間、クライアントのマーケティング課題にPRで何が貢献できるのかと悩みながら働き続けてきた僕のひとつの答えです。

そして、今まさにこの考えに共感していただき、一緒にお仕事させていただいているクライアントの気持ちにしっかりと応えられるように、さらに精進をしていきたいと思います。