2015年6月に開催された「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」で、2014年11月に公開したWeb動画「3秒クッキング爆速エビフライ」篇と続編の「3秒クッキング爆速餃子」篇で、3部門でゴールドとシルバーを受賞したNTTドコモ(以下、ドコモ)。ドコモでは特に、若年層へのリーチを目的にWeb動画の活用に積極的に取り組んでいる。ドコモ プロモーション部 第一制作担当 主査の深田大介氏は「テレビCMのクリエイティブとは、違う挑戦をできるのがWeb動画の魅力。マス広告だけではリーチできない若年層をターゲットにした施策では、Web動画を積極的に活用していきたい」と話す。
この夏から秋にかけて複数の動画公開を予定しているが、その第一弾となる「ファンタスティック・アニメ・マシーン」篇が8月14日に公開された。この動画は、ドコモが展開する「dアニメストア」のプロモーションを目的にしたもので、14日から開催の「コミックマーケット88」に照準を合わせ、制作・公開した。 今回の動画のポイントは「dアニメストア」で配信される1300作品、2万3000話以上あるコンテンツの中でも、ファンに人気の場面とカラクリ装置が連動する仕掛けにある。撮影が行われたスタジオ内にはカラクリ装置、そしてアニメのワンシーンを映し出す複数台のスマホやタブレットなどの端末が設置された。
制作は博報堂のオタクマーケティング専門のクリエイティブチーム「ガリガリ編集部」が担当。使用するアニメ作品、さらには使用シーン選びにも、ファンの気持ちを踏まえた、こだわりがある。クリエイティブ・ディレクターの林龍太郎氏は「カラクリ装置の動画自体は珍しくないが、そこにアニメを掛け算したところに新しさがある。様々なデバイスに映し出される作品のワンシーンと連動したギミックをカラクリ装置に組み込んでいるので、これまでにはない映像に仕上がっている」と話す。
今回の動画の成否を判断する指標について深田氏は「アニメがテーマなので、海外での拡散にも期待している。海外で話題になると、その話題が逆輸入されて、日本でもPVが増える。1500万PVを達成した『爆速エビフライ』はレアなケースで、通常はオーガニックで100万PV達成が、Web動画成功の一つの目安と考えている」と話している。
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