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コラム

戦略PR視点で、大学・地方・アートを考える

7限目「先生!メディアや代理店にはどんな人が就職できますか?」「メディアには『せっかち』な人が多いですか?」

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先生!メディアの人は「せっかち」な人が多いですか?

新幹線の中で、生徒から資料が送られてくることを待ちながら、私は自分が新人社員(報道記者)のころ、よく私のことを叱ってくれた先輩デスクのことを思い出していた。背が高く、口元にひげを蓄えていた。私が23、4歳のころだったので、ずいぶんと立派な先輩に思っていたが、今、思えばその先輩デスクは当時はまだ40代の前半で私よりも随分と若かったのだ。

私が、その先輩にいくら迷惑をかけても、そのこと自体で私を怒ったことは一度もなかった。ところが、私が迷惑をかけてしまった相手が、取材先の方だったり、一緒に働く制作会社のスタッフだったり、とにかく「他の人」に迷惑をかけた時には、温厚だったその先輩デスクは「口ひげ」をピクピクさせながら、私のことをエラく叱ってくれた。今思えば貴重な新人時代の経験だった。

「周囲に迷惑をかけるかどうか」

プレゼン当日。ゼミ生と私とのLINE上での緊急会議?の模様(その4)

そこがこの先輩デスクの「怒る」ポイントだったのだ。20年近くまったく考えもせず、気づきもしなかったことに、ゼミ生たちのおかげで、今やっと気がついた。

俺に迷惑かけるのはともかく、提案先の相手に迷惑かけるなよ……

と、私も少し大人な気分になった。

それから少し経って、やっとゼミ生から本日提案予定の資料(パワポ)が完成したとLINEで送られてきた。山形県司法書士会さんと本人たちの許可を得た上で、きょう(プレゼン当日)のゼミ生とのLINE上での緊急会議?の模様をここに公開させていただいた。

私たちのゼミの雰囲気がより伝わりやすい。もっとも、私は少しイライラと怒ってるように思われるかもしれない。かつての先輩デスクほど、私はまだ人間的に大人ではない。

そして、最初の企画書を私が確認の上、いくらか修正を行い、最終提案(パワポ)が準備され、本日無事に提案をさせていただき承認を頂いた。

もちろん、企画書上の提案が企画のすべてではない。これから企画書以上の内容のある企画が実施できるかの勝負となる。

ちなみに本来、こういった外部の案件の議論にメッセージアプリを利用することはリスク管理上、アウトとしている企業も少なくない。今回は学生との共同プロジェクトという性質上、慎重に扱う前提で使用しているが、内部情報の取り扱いには十分気を付けるよう、学生にも指導している。このような配慮を学んでいくことも、産学連携において大事なポイントかもしれない。

「先生!どうすればアイデアは企画書になるんですか?」「どうすればメディアや代理店に就職できますか?」「メディアには「怖い」人が多いですか?」といった、生徒からのこの一週間の間の、ごちゃごちゃした、バラバラな質問には、ちょっとシュールな回答がお似合いかもしれない。

「くちひげ」が特徴のかつての先輩デスクに最大級の感謝!!