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世界最高峰のダイレクトマーケティングを知るには「DMA国際エコー賞」を見よう

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今年のグランプリは米国海軍「暗号技術者」採用キャンペーン

授賞式は、アメリカらしいエンタテインメント性あふれるものだった。大きな会場に、バンドによる生演奏とドラムロール。コメディアンが軽妙に進行させていく。ただし参加者は一様に緊張感が隠せない様子だ。それもそのはず、参加者は自分が何かを受賞したことは分かっているが、どの賞なのかは発表されるまで分からない。

15に分かれたカテゴリーごとに、ブロンズ、シルバー、ゴールドと発表されていく様子を、みな固唾を呑んで見守る。私たちトッパンフォームズの「体験型BtoBDMキャンペーン~全ては受け手の笑顔のために~」は、シルバー賞を受賞したが、それも前方の大画面モニターで淡々と映像が流される中で突然あらわれ、「トッパンフォームズ、シルバー」とアナウンスされるだけというあっという間の出来事だった。少し拍子抜けしたが、同じテーブルだった他国の方々が「おめでとう」と声を掛けて祝ってくれた。

前半の授賞式の後、ゴールド・シルバー・ブロンズ賞の中からさらに選出される3つの特別賞について、発表が行われた。

今回ダイヤモンド賞とヘンリーホーク賞をダブルで受賞したのは、米国海軍の「Project Architeuthis(ダイオウイカ・プロジェクト)」。暗号技術者を採用するためのキャンペーンで、参加者はマリアという架空の隊員が毎日投稿する複雑なパズルを解き、暗号を解読していくというもの。投稿という言葉からもお分かりかと思うが、DMは一切使わず、FacebookとTwitterだけで行われたキャンペーンだ。SNSのみで展開した作品がダイレクトマーケティングの最高賞を受賞するというのは、いかにも“今”を物語っている気がする。

DMの最高峰であるUSPSゴールドメールボックス賞は、トッパンフォームズの「体験型BtoB DMキャンペーン~全ては受け手の笑顔のために」が受賞した。顧客が確実に手に取り、そして開封してもらえるよう、インパクトのあるポスト型DMを作成。中には、生活者体験ができる3種類のDMがあり、Web動画への誘導を掲載している。「形状が立体的で、かつデジタルを上手く組み合わせている。受け手に対して適切な情報を適切な方法で適切なタイミングに与えるよう施策設計されている」と評価された。

 

各受賞作品から感じるのは“データドリブン”というキーワードだ。データベースを利用して、最適な人に最適な内容を送るという意味で、日本でも広く使われ始めている。このデータドリブンのように、ダイレクトマーケティングもデジタルに軸足を移してきていて、それに伴い国際エコー賞の評価ポイントも、DMとデジタル、そしてオムニチャネルなどになってきていることを感じる。

次ページ 「ストーリー性を持つダイレクトマーケティング」へ続く