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なぜ、いま企業に「顧客」と「データ」という言葉の再定義が求められるのか?<デジタル・シフトVol.2>

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【前回記事】「なぜ日本企業の「デジタル・シフト」は壁にぶつかるのか?<デジタル・シフトVol.1>」はこちら

文・田島 学氏 アンダーワークス 代表取締役社長

データ、チャネル、テクノロジーの3つの軸

画像提供:shutterstock

前回のコラムで、いま実践すべきデジタルマーケティングとは、企業のコア・コンピタンスそのものをオンライン上でもオフラインと同様に提供できうる、時にビジネスモデルの変革をも含む非常に大きなテーマであることを書きました。

しかし実際には、多くの企業のデジタルマーケティングの取り組みは、Webサイトの開設など、データドリブンなマーケティングが始まっているとはいえ、あくまで「オンライン」の活動に限定された取り組みになっているケースがほとんどではないでしょうか。

オンラインに限定すると、必然的にコンバージョンに近い施策への投資が多くなり、長期的に見た際に、適切なマーケティング活動の実施を阻む要因にもなっています。日本のように成熟化した市場では新規獲得だけでなく、一人ひとりの顧客との長期にわたる関係構築も重要な課題です。企業の成長に貢献する真のデジタルマーケティング、「企業のデジタル・シフト」とは、オンライン、オフラインの区別なく、さらにはコミュニケーション領域だけに留まらない、「立体的なマーケティング」が必要とされているのです。

では、立体的なマーケティングとはどのようなものなのでしょうか。

基点となるのは「データ」「チャネル」「テクノロジー」の3つの軸になります。「データ」、「チャネル」を統合することでオンライン、オフラインをシームレスにつなぎ、顧客一人ひとりに最適なオムニチャネルエクスペリエンスを提供することを目指します。そして、その実現をサポートするのが「テクノロジー」と言えます。

読者の方の中には、「そんな理想論はわかっているよ」と思われた方もいるかもしれません。これらのビジョンはすでに多くの場で語られています。しかしながら、その実践ができている企業はごくわずかです。その原因は「オムニチャネルエクスペリエンス」の提供を実現させるためには、立体的マーケティングに必要となる3つの要素について、その言葉の捉え方をデジタル・シフトした環境に合わせて「再定義」する必要があるからです。

次ページ 「「マーケターの認識」と「消費者の行動」の違い」へ続く