家具屋からコピーライターになるまで。

[寄稿者一覧はこちら]【前回のコラム】「広告をしたいから、広告をしないと決めた。」はこちら

最終回となります。

北陸・富山のコピーライター、城川です。ありがたいことに前回のコラムを読んでいただいて、当時の僕と同じような状況で悩んでいるという広告志望の就活生から少し強烈な質問を受けました。あとがきでお答えさせていただきましたので、よろしくお願いします。

「接客」と「コピー」

コピーライターになるために家具屋になった(?)僕は、金沢の店舗へ配属されます。家具屋ですので力仕事も多く、クレーム対応も主な業務ですが、そういった「現場」の中で商売人の基礎は鍛えられました。特に「接客」は大きな経験でした。

接客技法のひとつに「ベネフィット話法」というものがあります。商品の特長を文字通りに伝えるのではなく、より具体的に伝える方法です。ハイバックのソファであれば、「背もたれが高い」→「何時間テレビを見ていても疲れませんよ」というように。反対にロータイプは、学生のワンルームであれば「お部屋が広く見えます」、和室であれば「座卓など低い家具にもなじみます」と、お客さんの現状や要望を伺いながら訴求点を探り、それを具体的にイメージできるように表現します。

ここで気付いたのは、当たり前かもしれませんが、この考え方はコピーと一緒だということです。接客文句はコピー。むしろ、1対1の接客文句を効率化するためにメディアに乗せたものがコピーなのでしょうか。「接客はコピーの原点」と考えてからは、接客ひとつひとつが、反応も売上としてダイレクトにはね返る、コピーの修行場になりました。

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