メディアのツボに入る切り口
ビーズはアウトドアのほか、自転車やストリートスポーツなど11の自社ブランドを持つ。海外の協力工場にOEM生産を委託するファブレス(工場を持たない)メーカーで、アイデアある商品を生み出す企画力や開発スピードを重視したものづくりが特長だ。
熊谷氏いわく「社員の趣味嗜好はとにかく様々。アウトドア好きだけでなく、インドア派でネットサーフィンが大好きという人もいます。商品開発で重視されるのは、担当者自身の熱意。ターゲットのライフスタイルや趣味などペルソナを設定し、『自分も絶対に欲しい!』と思えるような提案型の商品づくりにこだわりがあります」。
その中で「オヒトリサマBBQグリル」は、競合他社と差別化できる商品を目指し誕生した。「キャンプやアウトドアに詳しいユーザーにとって、コンパクトなサイズのグリルは目新しい商品ではありません。仕様はもちろんネーミングにもこだわることで、コアターゲットだけでなく、アウトドア初心者にも興味を持ってもらえる製品に仕上げました」。
メディアへのアプローチに欠かせないプレスリリースには、見出しに「一人BBQ」「ソロ」といったキーワードを散りばめた。記者が斜め読みしただけで記事化した時のイメージがわきやすいよう、導入部分でも「おひとりさまブーム」の背景を説明。製品の機能説明に留まらず、文脈が明確なリリースに仕上げた。
「中でもウェブメディアはいかに他媒体より早く情報を出すか、スピード重視の世界。その速さに対応できるよう、リリースの情報もできるだけ分かりやすく整理するようにしています」といい、「アウトドアに詳しくない記者でも書きたくなるように仕上げる」という点を意識しているそうだ。
広報戦略は一人で考えない
熊谷氏を含め社内の広報専任スタッフは2人で、プレスリリースの作成やメディア対応を担っている。ただ広報担当が一から広報プランを練り上げるわけではない。「戦略の8割は商品企画担当が考えていると言っても過言ではありません。ターゲットをできるだけ細かく設定し、そこからどんなメディアにアプローチしたいのか、彼ら自身が選定することもあります」。
商品の企画段階から広報担当者が同席し、PRにつながりやすいネーミングや、製品の仕様を意見できる体制になっている点も特長だ。「本当にその製品を必要としている人に届けるためには、『自分自身には関係がない』と思っている多くの人に『面白い、誰かに知らせたい・共有したい』と思わせるPRの力が必要」と熊谷氏。全社的に、メディアへの広がりを意識したものづくりを実現できる点が、ビーズの商品開発の強みとなっている。
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