ブランド戦略としての「物流」—“成功企業”は物流を重視する

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CASE STUDY 戦略物流活用の実例

1 ヨドバシカメラ

ヨドバシカメラのネットショップ(ヨドバシ・ドット・コム)で商品を買ったことがあるだろうか?

ヨドバシカメラのオムニチャネル戦略。

客員講師をさせていただいている多摩大学大学院での「最新ロジスティクスビジネス」のクラスで、毎年最初の授業で、Amazonとヨドバシ・ドット・コムでの購入をお願いしている。実際に購入した後、ほとんどのMBAコースの生徒が言うのが、「ヨドバシ・ドット・コムのほうが早く届いてびっくりした」という言葉だ。住んでいる場所によって異なるが、東京・神奈川に住むAmazonプライム会員でない人は、新刊本がAmazonより早く到着するのだ。私の会社がある秋葉原では、13時までの注文で17時30分に本が届く。Amazonの場合は、翌日が多い。

しかも、ヨドバシカメラのオムニチャネル戦略(詳しくは、筆者著『オムニチャネル戦略(日経文庫)』参照)は進んでおり、店舗に在庫のある商品を店舗受け取り指定で注文すると、30分以内に商品を受け取り窓口に準備しておいてくれる。しかも、秋葉原店や梅田店だと24時間受け取れるのだ。

夜中に徹夜仕事をしていてトナーが切れた時でも、30分以内で準備してくれるというのは、すごく便利なことだ。ヨドバシカメラは来年早々、Amazon国内最大の小田原フルフィルメントセンターの規模を超える新センターを立ち上げる。物流を軸に、競争優位にして戦っているヨドバシカメラは、これからも躍進することだろう。

2 サンコーインダストリー

サンコーインダストリーは、物流に強みを持つネジの商社だ。70万種類のアイテムを取り扱い、1日3200万本を販売している。東大阪市本庄(東大阪物流センター所在地)を中心に自社物件の物流センターを持ち、70万アイテムを1箱単位・1本単位でピッキングし、出荷している。しかも、16時を最終受付とし、注文を受けたものは当日出荷するという瞬発力を持っている。配送は自社便を中心としており、自社配送エリア外は路線便(佐川急便や西濃運輸など)を使っている。東京にある競合と比べても、遜色ないレベルで早く届けられるというのは素晴らしい。まさに、ネジ業界のAmazonのように、ありとあらゆる商品を持ち、スピード配送をするのが、サンコーインダストリーである。競合他社を弱体化させる物流の威力を証明する企業であり、これからの成長は間違いないであろう。また、同社公式サイトでは、「物流センターを潜入調査する」というストーリーで、サンコーインダストリーの物流での優位性を分かりやすく解説しているので、参照して欲しい。

サンコーインダストリーの物流戦略。


角井亮一 Ryoichi Kakui
イー・ロジット代表取締役兼チーフコンサルタント

上智大学経済学部経済学科を3年で単位取得終了し渡米。ゴールデンゲート大学からマーケティング専攻でMBA取得。帰国後、船井総合研究所、光輝物流を経て、通販専門物流代行会社のイー・ロジット設立、代表取締役に就任。現在では200社以上から通販物流を受託する。


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