AIは人類を超えるのか?
今後、コンピューターやロボットに取って代わられる仕事が多くなり、人間の役割が少なくなるのではないかという懸念がされている。確かに単純な知的作業から解放され、その多くが機械に代替されるかもしれないが、それ以上の進展は難しいだろうと安宅氏は話す。それは以下の7つに起因するということである。
- 意思がない
- 人間のように知覚できない
- 事例が少ないと対応できない
- 問を生みだせない
- 枠組みのデザインができない
- ヒラメキがない
- 常識的な判断が出来ない
上記のようなものに関してはまだまだ人間が機械に取られることがない領域であり、全ての職業をロボットやAIに取られることはなさそうであるが、逆にいうとそれ以外の分野では相当な変化が起こるとしても不思議ではないといえよう。
例えば昔からよくある、交通量をカウントするアルバイトをご存じであろうか。歩道に席を構え、カウンターを持ちその道を通行する車や歩行者のカウントをしている人のことだ。冬や夜間になると寒さや眠気で厳しい作業ではあるがその分時給が良く、人気のあるアルバイトであった。しかし、最新の監視カメラに通行量を認識するAIを組み合わせれば通行する実数を簡単に計測することが出来るようになるために、このような仕事は無くなってゆくのかもしれない。簡単に、安く、早く正確なデータを入手できるようになるので、その分きちんとしたプランを組み立てられるようになるのであろう。
経営資源は「ヒト、データ、キカイ」へ
安宅氏によると、今後の経営資源はヒト、モノ、カネからヒト、データ、キカイに代わっていくのではないかということであり、その中では「データ」を持っている企業の方がAI技術(処理能力)を持っている企業より強くなるだろうということである。確かにデータは存在すれば活用が可能であるが、そもそも保有していないと処理ができない。分析に適するデータを取得するためには情報開示の許諾が必要な場合が多く、そのようなデータを持つ企業が価値を高めていくと考えられる。
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