しかし一番不足しているのはヒト
今まで紹介してきたように、新しい国富の方程式は“データ x AI”の競争であり、“ヒト・データ・キカイ”が新しい経営資源となり、データ>AIを持つ企業(国家)が勝つ世界になってくるのであるが、その中でも日本では“ヒト”に関する懸念が強いと考えられる。
これは筆者も常々感じていることであるが、せっかく良質なデータを保有していてもそれをきちんと活用できておらず、価値を十分に引き出せていない事例や、言語の問題で十分にデータを活用できない事例、データ分析の教育・人材育成が十分できていなかったり、優秀な人材が海外に流出してしまったりする事例を多く見てきた。したがって安宅氏の説には深く賛同し、共感するところである。安宅氏がデータサイエンティスト協会を立ち上げ、本講演も含めた情報発信に力を入れているのも、根底には人材(データサイエンティスト)が足りないという危機感が根底にある。
皆さんも、データの収集や活用に関する個人間の“デジタルデバイド”を実感することもあるのではないだろうか。今後はこのデバイドが企業間、ひいては国家間の競争に発展し生活の豊かさに貢献することになっていくのではないだろうか。良質なデータを活用して、よりよい社会に導くためには多くのヒトの知恵が必要であり、今こそその教育や育成に目を向けるべき時期ではないだろうか?
IoTビジネスも、IT農業もインバウンド産業、企業のマーケティングも、データの活用で飛躍し日本の将来をけん引するチャンスが現在存在していると認識するだけで違ってくるのではないだろうか。このようなことを考え、広めることだけで世の中は少しずつ変わっていく。ぜひ読者の皆さんも含めたマーケターの積極的なアクションに期待したい。
「i(アイ)トレンド」バックナンバー
- すべてのマーケティングがサブスクリプション化する?~マーケティング協会のイベントで感じたこと~(2018/5/11)
- 高付加価値経済の実現のために、なぜ賃上げが有効なのか(2018/4/23)
- デジタルテクノロジー/マーケティングの進化で実現するシェアリングと所有の二極化経済(2018/3/13)
- 2018年の日本はデジタルテクノロジー・マーケティングの進化により、ようやく適正価格の高付加価値エコノミーに進化する(2018/1/26)
- ピザ生産遅延、無料クーポン行列、集配遅延はなぜ起きたのか?(2016/12/26)
- まだ始まっていない日本航空の「どこかにマイル」の大ヒットを予想する理由(2016/12/01)
- AI(人工知能)は人類を超えるのか?(2016/7/20)
- カンヌ・サイバー部門総括「社会派の作品はチタニウムに集約へ」(2016/6/24)
新着CM
-
AD
グリーDX事業本部
インターネット企業の知見にもとづくデータドリブンマーケティングセミナー
-
クリエイティブ
銀座の空き地に13のインスタレーションが出現 新しい「銀ブラ」促進
-
広報
三菱地所、トレインジャックで「まるで海外な丸の内」をアピール
-
AD
広告ビジネス・メディア
味の素のTikTok広告が1000万imp超え TikTokクリエイターとの共創...
-
広告ビジネス・メディア
「素晴らしい提案でした。でも今回は他社に決めました」と言われないために
-
販売促進
「ヘルシア」が日本一深い地下鉄 大江戸線六本木駅で“あえて階段をのぼる人”に応援...
-
AD
特集
BOVA(Brain Online Video Award)10周年
-
人事・人物
ライフコーポレーション、ネットビジネス本部長ほか(23年4月1日付、5月25日付...
-
マーケティング
カルビー、売り場を科学的に知ることで販売戦略の最適化につなげる