「リレーションシップ」と「五感」がキーワード
審査委員長を務めた恩藏直人・早稲田大学商学学術院教授は、近年のマーケティングのトレンドからDMの果たす重要性について解説した。
■恩藏直人審査委員長コメント
近年、マーケティングがより緻密なものになっています。かつては、お客さまを次々に獲得していく発想で「ハンティング」に例えられていましたが、最近は長く付き合うことに重きが置かれ、「リレーションシップ(関係性)」といった言葉がよく使われています。それはハンティングに対して「ガーデニング」とも言われます。グランプリを受賞した山代温泉 宝生亭は、その「関係性」の発想で、限られたお客さまとさらに良い関係をつくることを実現されました。
また、昨今は「センサリーマーケティング」が注目されつつあります。五感に対していかに働きかけるかに注目したマーケティングの概念ですが、今回の受賞作を見て、まさにこれからセンサリーマーケティングの中でDMというものが大きな役割を果たすと感じました。
五感、すなわち香りであったり、目に映るものであったり、手触りだったり……これらはすべてDMに関わるものです。今はあらゆるものがデジタル化していますが、逆にだからこそ五感で感じるものが重要になると考えています。ぜひ皆さま方には「センサリー」というものを意識して、さらに素晴らしいDMを展開していただけたらと思います。(談)
国際エコー賞との提携を発表
「第30回全日本DM大賞」は、2014年11月から2015年9月までに制作され、DMとして発送されたものが対象で625点の応募の中から各賞が選ばれた。
また日本郵便は2月24日の贈賞式会場で、米国ダイレクトマーケティング協会(DMA)が主催する「国際エコー賞」と「全日本DM大賞」との提携を発表した。今回(第30回)から、全日本DM大賞の入賞作品を国際エコー賞に応募する際、1次審査が免除される。日本郵便の稲澤徹専務執行役員は、「日本のDMがワールドワイドで評価される機会になればうれしい」と述べた。
澤本嘉光さんの連載コラムはこちら
第30回全日本DM大賞入賞作品はこちら
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