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コラム

澤本・権八のすぐに終わりますから。アドタイ出張所

台本があるから、テレビ番組はつまらなくなる!(ゲスト:矢追純一さん)【前編】

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ユリ・ゲラーさんとの偶然かつ必然な出会い

澤本:矢追さんのお話に戻りますと、ユリ・ゲラーさんとお会いになったのも偶然と、この本にもちょっと書いてありましたけど、これも矢追さんがおっしゃっている「あきらめる」というか、「抵抗しない」という風になると、そういうことが起こってくるという話なんですよね?

矢追:そうですね。ある日、英字新聞を読んでいたんですね。そしたら、そこにアポロ14号だったかな。エドガー・ミッチェルという宇宙飛行士が自費で超能力の研究所をつくったと書いてあって。

澤本:実際に宇宙へ行った宇宙飛行士がつくったと。

矢追:そう。これは面白いなと。宇宙飛行士だと名前を貸してるだけでもメシ食えそうな感じがするじゃないですか。それがなぜわざわざ自費を投じて、超能力の研究をするのかと、取材班を連れて会いに行ったんですよ。彼に「どうしてつくったんですか?」と聞いたら、じつはアポロに乗って、宇宙に行くまで大変だったと。体力テストもあるし、頭もよくなきゃダメだし。非常に過酷な訓練の中でやっとちっぽけな宇宙船に乗ったと。宇宙船って本当に小さいんですよ。着陸船は2人しか乗れない。鼻と鼻がくっつくくらい狭いんです。これは僕が名誉館長をやっている石川県羽咋市にある宇宙科学博物館に行くと実物が置いてありますから。

澤本:宇宙船の。

矢追:はい。いろいろな宇宙船が置いてありますよ。ソ連のボストークなんて本当に大気圏に再突入したときの焼け焦げがついてる。中までちゃんと見えますから、こんな小さいので行ったんだと。偉いなと思いますよね。そういう思いをして行ったんだけど、やっと月面に到着したときに「月の地平線に地球が上がっていた。その地球は青くて丸い球だった」と言うんですね。それを見たときに何とも言えず感動すると同時に、愛おしさが込み上げてきたというかね。おれはあそこしか帰るところがないんだと。今ここで宇宙服に穴が空いたら、もう帰れない。

澤本:はい、はい。

矢追:そんなに貴重な青い球なのに、その上に住んでいる連中が私利私欲で金儲けをしよう、戦争を起こそう、テロをやろうということに右往左往しているのはバカバカしいと。だから、みんなにこのことを知らせたいと思ったんだけど、何がいいかと考えたときに宗教は無力だったと。政治も無力だったと。科学はもっとダメだったと。彼は科学者なんですけど、「科学ってあまり役に立たないよ、ダメだよというのは、宇宙に行った、月に行ったらわかるよ」と言ってました。

澤本:へー。

矢追:したがって科学もそういう意味では無力だったので、結局1人ひとりの心の奥底にある魂のようなもの。良心の欠片みたいなもの。そういうものに訴えるしかないんじゃないかなと思って、それを研究しようとはじめたのが純粋理性科学研究所だと言うんですよね。「何かやりましたか?」と聞いたら、「イスラエルからユリ・ゲラーという青年を呼んで、スタンフォード研究所と共同で研究した。彼は金属を曲げたり、それから金属の缶の中に入っているものを当てたりした」と。

澤本:透視みたいなことですね。

矢追:そう、いろいろなことやったって言うんですよ。それで僕が「ユリ・ゲラーにぜひとも会わせてくれ」と言ったら、「怒ってもうどこかへ行っちゃった」と。

権八:怒って?

矢追:「どうして怒って行っちゃったの?」と聞いたら、「何日も何日も科学的な実験だと称して、いろいろなことをやらせて、ギャラくれないからメシ食えないから嫌だ、と言っていなくなった」と。それはミッチェルさんダメでしょと言ったんだけど。

権八:面白いですね(笑)。

矢追:「どこ行ったか知らないの?」と聞いたら、「いや、わからない」と言うんで、じゃああきらめようと。僕はダメなことはやらないんです、すぐあきらめちゃうんです。

澤本:矢追さんが。

矢追:はい、僕は壁があっても乗り越えないんです。毎週土曜日に宇宙塾という小さなセミナーをやっているんですけど、そこでは「壁は乗り越えるな。壁は迂回しろ」と伝えています。何も無理矢理突破する必要ないじゃない。だから、ちょっと時間かかっても迂回すればいいんだよね。そのほうがずっと効率がいいし。なんでもかんでもぶち壊せばいいというものじゃないからね。だから、すぐあきらめて。

権八:ユリ・ゲラーがいなくなったことを。

矢追:それからニューヨークに行ったんですよ。ニューヨークの心霊科学研究所というところに取材に行って、そこで夜パーティがあって、その席で隣に座った、ちょっと太ったアメリカ人の奥さんが「あなたは日本人でしょ? 私の友達に日本人がいて、今電話で話したいと言ってるから代わってくれる?と電話をよこしたの。話したら、メラニー・トヨフクという女性で、たぶん3世ぐらい。

澤本:日系3世ということですね。

矢追:だから日本語が全然できないんですね。英語でやり取りをしていて、僕が「あなたは一体どういう仕事をしてるの?」と言ったら、「ユリ・ゲラーという人の秘書をしてる」と。

権八:えー!

澤本:すごいですね。偶然ですか、それ?

矢追:偶然。偶然というか必然なんだよね。「じゃあ、ぜひインタビューをさせてくれ」と言ったら、「パフォーマンスをしないでよければ、あなた1人で来てインタビューするぶんにはいいよ」と言ったので、「お願いします」と言って、取材班を全員連れて行ったんですね。

澤本:ひどい(笑)。

矢追:ダメ元でね(笑)。ダメと言われたら「廊下で待ってろ」と言えばいいんだから。一番街の高級マンション。確か5階だと思うんだけど、エレベーター降りて、キョロキョロしてたら、いきなり目の前のドアがバッと開いて、「おぉ、矢追来たか」と言って、いきなりハグしてきたわけ。「お前が来るのは前からわかってた」と。

権八:それはユリ・ゲラーさんがですか?

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