365日「広告主」である必要はない
「CLUB Panasonic」には800万人を超える会員がおり、Webサイトの月間PVは2億を超えるそうですから、一般のメディアと比べてもかなり力のあるメディアと言うことができます。さらにはパナソニックの家電を購入する属性のユーザーが多いということを考えると、ある程度単価の高い商品を購入する購買意欲の高いユーザーを抱えているメディアと見ることもできるわけで、魅力的な媒体でしょう。
実際、すでにパナソニックでは昨年『CLUB Panasonicファン・フェスタ』という会員向けのイベントを開催し、ロイヤルティーの高いファンを集客できることを証明しているのです。
参考:記者の眼 — Web会員組織が大化け、パナソニック「上得意客限定」イベントで見せた底力:ITpro
ライバル企業の広告をどこまで許容するのか、広告事業によってユーザーの離反を招かないのかという議論は出てくると思います。ただ今回は、広告事業の最大化を目指すというよりはあくまで会員活性化のための広告事業という位置付けのようですから、広告収入に依存しているメディア企業よりもハードルの高い広告出稿基準を作ることで、会員にメリットのある広告事業を確立できる可能性も十分あるわけです。
そもそも、いわゆるマスメディア企業であるテレビ局が看板やポスターなどの広告を広告主として活用することは珍しくありませんし、ヤフーやスマートニュースのようなネットメディアを運営する企業が広告主としてテレビCMを活用することも珍しくない時代となっています。
ソーシャルメディアアカウントの普及もあり、今や自社のメディアを全く持っていない企業の方が実は少ないはずです。ペイドメディアである「広告」に頼らなくても、オウンドメディアやアーンドメディアで十分話題を喚起ができるケースも増えていますから、実は純粋に「365日広告主」であり続ける企業は少なくなっているはずです。
言葉遊びのような議論かもしれませんが、そういう意味では、自分たちは「広告主」だと定義してしまうと、実は手元に活用できる媒体があるという事実を見逃してしまっているかもしれません。
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