購入検討者の不安を企業は払拭できない
藤崎:機能的な心配や心理的な壁と同時に、実際に購入を検討する時には「価格」も関係してきますよね。
徳丸:そうですね。いわゆる少額商品でしたら、試しに買ってみようということもありますが、「ルンバ」はある程度高額な耐久消費財です。ですので、検討してから購入することになりますが、その段階で十分な理解を得られるような情報が必要です。それには企業からの謳い文句だけでは不十分です。「本当かな?」という懐疑的な気持ちを払拭するためには、消費者のリアルな声が非常に大きな説得力を持っていると感じています。
藤崎:認知率90%を超えた立場として、すでにお使い頂いている方のリアルなクチコミを重視して次のステージに向かおうというわけですね。
徳丸:広告でこれ以上認知をあげても、今の壁を乗り越えないと、なかなか次には行けないということです。
消費者のパワーを実感。消費者からのネーミング
藤崎:消費者から生まれた言葉があるそうですね。
徳丸:ルンバに適した住まいのことを社内では「ルンバフレンドリー」という言葉で呼んでいました。「ルンバフレンドリーな家」とか、「ルンバフレンドリーなソファ」という風に。
しかし、ある時、自然発生的にTwitter上で「ルンバブル」という造語が生まれていました。これには我々が驚きました。「ルンバブル= Roomba+Able=ルンバが使える」という意味ですが、コピーライターも顔負けのネーミングですよね。
藤崎:それはおもしろいですね。
徳丸:最近は「ルンバライズ」という言葉が自然発生的に生まれているようです。これは「ルンバ」が充分に働けるように、部屋を片づけるという意味だそうです。「ルンバブル」から一歩進めた言葉なで、人間が自主的にとる行動をさしています。
藤崎:消費者が新しい言葉をどんどん作ってくれるってすごいですね。
徳丸:ロボット掃除機は新しいカテゴリーの商品ですし我々は先駆者なので、この分野の第1人者になることは重要です。その意味で、消費者が「ルンバ」をロボット掃除機の代名詞として認めてくれて、次々と言葉を作ってくれるのは嬉しいことです。
藤崎:商品名なのに代名詞になっている名前ってありますよね。例えば「セロテープ」とか、昔では「ウォークマン」とか。そう言えば、ロボット掃除機を総称して「ルンバ」って呼ばれるケースも多いですよね。
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