行動プロセスのフェーズ別にコンテンツを制作する
図にある各フェーズで必要なコンテンツ要素をA(集客):認知フェーズ<ターゲットとする見込み顧客を引き寄せるため、顧客の潜在的な課題に関連する「価値のある情報」>、B(接客):評価フェーズ<見込み顧客の課題を明確にしたい、解決策が知りたいという「もっと知りたい」という要求に応える情報>、C(送客):行動フェーズ<見てみたい・相談したいという「行動を誘発」する背中を押す情報>とした場合、C→B→Aの順でコンテンツを準備したほうが良い。
1.行動フェーズのコンテンツ要素
それでは、Cの行動フェーズのコンテンツ要素から解説をしていく。どの企業も問合せや相談フォーム、見積り依頼フォームなど成約に繋がりそうな"確度の高い見込み客"からコンタクトを得るために、さまざまなフォームを用意しているだろう。
しかし新規の顧客は、店舗の来店時に店員に聞こうか聞かまいか悩んでいるのと同じように、問い合わせや相談をしようか悩み、Webサイトのデジタルコンテンツ内を回遊することがある。問合せフォームのトップまで来ておいて途中で離脱するという行動だ。
このような見込み客に有効なコンテンツ要素や機能としては「敷居を下げる施策」「試したくなる体験要素」「リアルの場(接点)の用意」が挙げられる。
2.評価フェーズのコンテンツ要素
評価フェーズにおける顧客の心理は、○○を解決したい・○○のコストを削減したい・○○を探しているなど、ある目的を持って積極的に情報接触を試みている状態である。一般的なコーポレートサイトや製品サイトは、商材を並べるだけでなく様々な探す切り口を用意していることだろう。
しかし、新規顧客を開拓するのに圧倒的に不足しているのは、その企業と初取引できるか評価するためのコンテンツ要素だ。
具体的には「商材を探すための複数の切り口」や「不安・要素を払しょくする自己学習型コンテンツ」が必要であると同時に、制作に際して「業界内(担当部門)では当たり前の言葉であっても、初めて見る他業界(他部門)の人が理解できる言葉を選ぶ」工夫が必要だ。
3.認知フェーズのコンテンツ要素
認知フェーズではターゲットとなる対象にとって価値ある情報を提供し、見込み客を引き寄せるコンテンツが必要だ。
注意点として、一般消費財のように市場にモノが溢れる業界で人の興味を集める面白コンテンツを用意し、ソーシャルメディアで大量に拡散され、爆発的なヒットをつくり出すようなやり方では決してないことは覚えておこう。
以上、これまで3回連載によって、デジタルマーケティングに必要なコンテンツ要素の考え方について概要を紹介したが、新規顧客開拓と言っても、新規取引企業か、既存取引企業でも新規取引部門か、既存商材か新規、成長商材かによって、そのコンテンツ要素は変わってくる。
さらに、顧客内での意思決定プロセスや購買プロセスに応じたマインドを整理しない限り、コンテンツの過不足について課題を洗い出すことはできない。また、読み手や対象に応じて、どのようなデバイスで提供するのか、どのようなデジタル技術を併用するのか、最終的にどのような体験が顧客にとってストレスがなく心地よいと感じるのかを常に考えながら、改善や今後のマーケティング活動に取り組んで欲しい。
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