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デザイン会社が投資会社やメディア企業と組むとどうなる?nendoが考える「デザイン会社の第3フェーズ」

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アライアンスを組んだ各社とどう事業を展開していくか

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DoT.(Design of Things)
ソフトバンクが運営する、IoTの商品化支援プラットフォームの中のデザイン特化ライン。今年3月にローンチ。

室井:いまのお話は、デザイン会社の旧来のスタイルと全く異なりますよね。アライアンスを組む各社とは、具体的に行う仕事はどのように決めているのでしょうか?

佐藤:僕はクライアントとなぜか仲良くなることが多く、どうでもいい雑談をずっとしてるんですね。そうすると、自然とお互いの仕事上の課題で共通する部分が出てきて、「ここに1つ何かを置けば、お互いにとっていい話なのでは?」という展開になります。だから、こちらから企画書にして提出することもなければ、相手から正式にオファーを受ける感じでもないんです。

室井:自然発生的に生まれると。各社との具体的な取り組みも教えていただけますか。

佐藤:「DoT.」はソフトバンクとのアライアンスで、ソフトバンクのIoT商品開発プラットフォーム「+Style」の中に、デザインに特化した商品ラインを作ったんです。例えば世の中には、企業の新しい技術や素材の活用を考える時に、最初から量産はできないけれど少量生産をしたいというニーズが、実は結構あります。でも、多くの企業が小ロットで販売できる販路もなければ、そういうものづくりの仕方もしてきていないので、実現が難しいという課題がありました。+Styleは、ソフトバンクがこの課題に注目して始めた事業です。彼らが持つポータルサイトや実店舗の販路、携帯電話をつくってきた製造ノウハウ、さらには物流機能を使って支援していこうということ。DoT.はその中でもデザインの力でさらに飛躍しそうなプロジェクトを扱っています。興味を持たれるのはスタートアップ企業ばかりかと思っていたら、ソニーなど大企業も参加しています。

室井:onndoは新たなデザイン事務所ということですが、特徴はどこにありますか?

佐藤:nendoのアイデア・企画力と乃村工藝社のデザイン力・施工ノウハウを融合したのがonndoです。これまで、nendoとしてインテリア関連のお話をいただいても、人的リソースの関係からお断りせざるを得ませんでした。以前から乃村工藝社とインテリアや空間のプロジェクトを手がけてきたなかで、物理的に1つの組織体になることでその課題をクリアし、さらに乃村工藝社のノウハウや知見によってインテリアデザインの可能性を広げ、素材の開発までもできるなどのメリットが生みだせるんじゃないかと。今大きなプロジェクトが複数動いていて、今秋には発表できると思います。

室井:テレビ局や雑誌社などメディアと組むのはさらに意外な展開ですね。

佐藤:映像が非常に大事な時代です。これまでは作品を伝えるときに文章やスケッチ、写真などの媒体でしか伝えられなかったけど、動画をうまく活用することで、よりコミュニケーションを高められる可能性があります。とはいえ、僕たちが作品のCMを考えようとしても、社内にノウハウがない状態ではディレクションができません。知識や最低限のことは自分たちでできるようにしておきたいので、業務提携をして映像チームをつくることになりました。

続きは、『ブレーン』55周年特別記念号をご覧ください。以下の内容がご覧いただけます。

  • 雑誌社との提携、広告会社との提携では何を行うのか
  • なぜ、「アライアンスを組む」という選択肢を選んだのか
  • 佐藤オオキさんが考える、次のnendoの形

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佐藤オオキ(さとう・おおき)
デザインオフィスnendo代表

1977年カナダ生まれ。2000年早稲田大学理工学部建築学科首席卒業。2002年同大学大学院修了後、デザインオフィスnendo設立。東京とミラノを拠点として、建築・インテリア・プロダクト・グラフィックと多岐にわたってデザインを手がける。「ニューズウィーク」(米)の「世界が尊敬する日本人100人」(2006年)に選ばれる。著書に『問題解決ラボ』(ダイヤモンド社)、『400のプロジェクトを同時に進める 佐藤オオキのスピード仕事術』(幻冬舎)など多数。

 

室井淳司(むろい・あつし)
アーキセプトシティ代表/クリエイティブディレクター/一級建築士

1975年生まれ。2000年東京理科大学卒業後、博報堂入社。2012年博報堂史上初めて広告制作職以外からクリエイティブディレクターに就任。2013年博報堂を退職し、アーキセプトシティ設立。2013年5月より表参道布団店取締役/クリエイティブディレクター。著書に『体験デザインブランディング~コトの時代の、モノの価値のつくりかた~』(宣伝会議)。