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東京オリンピックは団塊世代の卒業式!2020年までにメディアの改革を完了せよ。

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東京オリンピックは団塊世代の卒業式

佐々木:やっぱり2020年というのは、日本にとって、メディア業界にとって重要な年であって、私は、2020年のオリンピックは「団塊の世代と戦後日本の卒業式」になると思うのです。うちの父親も団塊世代のちょっと上の世代で福岡に住んでいますが、「東京オリンピックだけは絶対に東京の現地で見たい。だから、チケットを取ってくれ(笑)」と言っていました。

団塊から上の世代の人たちは、「オリンピックを絶対見たい。オリンピックまでは絶対に生きよう」と思っている人がとても多いと思うのです。だから団塊の世代の人たちにとって今回のオリンピックは、心の意味でも、年齢的にもあらゆる意味で卒業式になるのでしょう。自身が生きてきた高度成長期の日本、昭和の日本、その物語のフィナーレを飾るという感じでしょうか。1964年の東京五輪から56年後にまた東京五輪を迎える。その56年間というのは、団塊世代より上の人にとって、青春というか、人生そのものですからね。

日本は年齢を重ねても元気な方が多いですが、五輪が終わると、さすがに「若い世代にすべてを譲る」という雰囲気になるような気がします。戦後日本の大きな流れがいったん終わり、本当の意味での「新しい時代」になるのではないでしょうか。2020年以降は、修羅場も多いでしょうが、ワクワクも多いと思います。

吉良:「団塊の世代の卒業式」。いい言葉ですね。

佐々木:2020年で卒業式が終わって、本当に新しい時代になると、メディアも変わるというか、変わらざるを得ない時代がやってきます。メディアと時代は双子のようなものですから。新時代をリードするメディアになるためにも、メディアは2020年までにデジタル化、グローバル化という2つの課題をクリアしておかないといけないでしょうね。

佐々木紀彦(ささき・のりひこ)

1979年福岡県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業、スタンフォード大学大学院で修士号取得(国際政治経済専攻)。東洋経済新報社で自動車、IT業界などを担当。2012年11月、「東洋経済オンライン」編集長に就任。リニューアルから4カ月で同サイトをビジネス誌系サイトNo.1に導く。2014年7月から、NewsPicksの編集長を務める。著書に『米国製エリートは本当にすごいのか?』『5年後、メディアは稼げるか』がある

 

吉良俊彦(きら・としひこ)

上智大学法学部卒業後、電通に入社。 クリエーティブ局、営業局を経て、1985年より雑誌局へ。様々なラグジュアリーブランドをはじめ、各社のメディア戦略およびプロジェクト、スポーツ・文化イベントの企画プロデュースを行う。2004年、電通退社。ターゲットメディアソリューション設立。2011年、マンガデザイナーズラボ設立。
マンガデザイン®プロデューサーとして、「マンガデザイン®」による広告企画の総合プロデュースを手がけ、日本の文化であるマンガをコミュニケーションソリューションとしてビジネスに活用している。大阪芸術大学客員教授、日本女子大学講師。

 

『広告0円』 吉良俊彦・著

新たなメディアとして台頭してきたウェブ&モバイルに加え、OOH、そしてエンターテインメントとしてのスポーツ&ライブカルチャーもまた強力なメディアだと位置づけ、これまでの4媒体(TV、新聞、雑誌、ラジオ)との親和性やこれからのメディアミックスの方向性を考察。「広告0円」と提唱する真意、広告における新たなメディアの在り方、これからの可能性を探る。広告・コンテンツの今を理解するための最良の書。
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