顧客視点のマーケティング組織をつくる
パタビラム氏はフェルナンデス氏の話を受けて、これからのマーケターに必要なことを「決して、顧客のそばを離れるな」という一言にまとめた。
顧客に寄り添うためには、これまでの企業からの一方的な発信から、顧客との対話を重視し、関係性の構築と継続を目指すマーケティングのテクニックの変換が必要となる。
またパタビラム氏は、顧客を重視したマーケティングを実現するための組織変革についても触れた。
多くの企業がテレビ、ソーシャルメディア、モバイルといったチャネル単位に別の部署を持っているが、これからのマーケティングのためには、顧客のライフサイクルに合わせた組織になるべきだ。
そのために必要な人材はマーケティングのスペシャリストだけではないと同氏は指摘する。戦略を考える人、顧客視点を持ったストーリーテリングの能力を持った人、説得力のあるコンテンツをつくり、実行する人、そして、これらの中心にいて、それぞれの能力をつなげるコーディネーターの様な人材が必要だと話した。
パタビラム氏は、こうした人材を揃えたチームが構築できれば顧客視点を中心とした組織となり、企業のマーケティングを変革できると話した。
Marketoのユーザーが主役となる多様なセッション
キーノート終了後の、午後にはデジタルマーケティングに関わるバラエティーに富んだスピーカーを招いたセッションが実施された。
電通デジタル執行役員、小林大介氏の「エクスペリエンス革新に挑む」では、「モノからコトへ」という競争の変化において唯一の付加価値である「エクスペリエンス」をプロダクト、インタラクション、ビジネスモデルという3つのレイヤーに分け、それぞれで成功するポイントを紹介した。
いずれのレイヤーでも、変革を推進するのはデジタルテクノロジーで、同社のエクスペリエンス革新ではMarketoをエンタープライズカスタマープラットフォームとして活用していると話した。
スモールビジネスをサポートするソリューションを提供するfreeeのVP、Marketing伊佐裕也氏は「freeeの急成
長を支える『マジ価値マーケティング』」というセッションを行い、同社の価値基準とマーケティングを掛け算した、「マジ価値マーケティング」について話した。
ユーザーを理解し、“こうあるべき”と思う理想に挑み続け、PDCAサイクルではP(プラン)よりもD(実行)を重視し、成功だけでなく失敗も積極的に共有するという事業への取り組み姿勢を解説。同社のユーザーを中心にした「マジ価値マーケティング」の実現にも「Marketoは必要不可欠なツール」(伊佐氏)であり、ユーザーの声を集約し、社内のあらゆる部署で共有し、何をすべきかの優先順位をつける判断に貢献するプラットフォームとなっていると話した。
日本では初めてとなる、丸一日をつかったこのカンファレンスは、顧客を中心に据えた、これからのマーケティングに携わる日本の“TOMORROWʼS MARKETER”たちに大きな気づきを与えるものとなった。
編集協力/株式会社マルケト
※7月6日に開催された「THE MARKETING NATION SUMMIT 2016」の講演資料や動画は下記のアドレスからダウンロードができる。
https://jp.marketo.com/summit-2016/download/index.html
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