コラム

アンバサダー視点のススメ

人に喜んでもらうことがビジネスモデルになった(ネスカフェ アンバサダー)

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オフィスは日本で一番大きなコミュニティ

津田:調査した結果、日本で一番大きなコミュニティは「オフィス」でした。そこで、オフィスにコーヒーマシンを広めることができれば、ビジネスモデルとして形になるのではないかと発想しました。

藤崎実

藤崎:つまり、ネスレさんの場合、アンバサダープログラムありきではなく、ビジネスモデルをつくろうとしたことが始まりだったわけですね。

津田:そこが、おそらく他社との大きな違いだと思います。「ネスカフェ アンバサダー」と名付けたので、アンバサダープログラムとして認知されていると思いますが、実は始まりはビジネスモデルを考えたというわけです。

藤崎:「ネスカフェ バリスタ」をより多くの方に使ってもらうというゴールに対して、どうアプローチするかという方法論の問題ですよね。人が集まるところにマシンがあれば喜んでもらえると捉えたことが大きかったのではないでしょうか。また、コーヒーによって人と人がもっと近づけたり、気持ちが和んだりできるという、いわばコーヒーがもたらす価値の提供に考え方をシフトしたことが素晴らしいと思います。

津田:マシンの普及を考えていたときに震災があり、実体験がヒントになったということに尽きますね。

藤崎:成功事例を後から見ると、とてもシンプルで理に適っていることが多いようです。答えを見たら意外と簡単そうでも、真正面から向き合うとなかなか答えが見つからない、まさに手品のようですよね。

津田匡保(ネスレ日本 Eコマース本部 ダイレクト&デジタル推進事業部 部長)

津田:先日も台風による被害を受けた九州の仮設住宅に「ネスカフェ バリスタ」をお届けしました。その時も、本当に多くの方に喜んでいただきました。やはり、担当者として「このマシンを多くの人に使ってもらいたい、コーヒーでくつろいでもらいたい」という気持ちが強くあるのです。

藤崎:津田さんは「ビジネスモデル」とクールにお話されますが、従来のマーケティングや広告の手法とは違い、人に喜んでもらうことでマシンを広げ、ファンを根付かせるという発想そのものが、温かさとすごさを兼ねた素晴らしい取り組みだと思います。現在の成果を教えてください。

津田:単純に数字だけでいうと、「ネスカフェ アンバサダー」は3年強で合計26万件(8月末時点)ほど応募してもらっています。2020年までに50万件という目標を掲げています。日本にはおよそ600万件のオフィスがあると言われており、まだまだ市場は大きいですし、実際はオフィスだけではなく、いろいろなコミュニティでもご利用いただいています。

藤崎:例えば、どんなコミュニティがあるのでしょうか?

津田:アンバサダープログラムの内訳を見てみると、いわゆる一般のオフィスというのは全体の約4割しかなく、残りは店舗、病院、大学など多岐にわたります。日本にある600万件のオフィスにはこうした場所も含みますので、さまざまなところにチャンスがあると思っています。

つまり、日本中どこでも人がいるところには誰かが働いていて、そこは誰かにとっての職場だということです。駅や船、公共の場、とにかく人がいる場所にチャンスがあり、マシンを置くことができると思っています。

藤崎:人がいるところでは誰かが働いている、という視点そのものが素晴らしいです。あくまで人間中心の取り組みが「ネスカフェ アンバサダー」の底辺にあるんですね。ありがとうございました。


今回のポイント

  • 1杯のコーヒーが人と人をつなぐ
    「ネスカフェ バリスタ」をどう広げていくかが課題だった
  • オフィスは日本で一番大きなコミュニティ
  • 人がいるところでは誰かが働いていている

今回のまとめ

「ネスカフェ アンバサダー」がパワフルに加速していく理由のひとつに、津田さんが最初からビジネスモデルを目指していた点が挙げられます。確かに、このビジネスモデルは素晴らしいと思います。しかし、そのビジネスモデルの底辺に「一杯のコーヒーが人と人をつなぐ」という信念を感じるのは私だけでしょうか。「ネスカフェ バリスタ」があれば、その場所がカフェになる、という考え方にコーヒーの力を信じる人の意思を感じます。「ネスカフェ アンバサダー」のみなさんは、その意思に共感を覚えてプログラムを支えてくれているのではないでしょうか。人とコーヒーの力を信じる優しい気持ちが「ネスカフェ アンバサダー」プログラムを支えていると思えてなりません。

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