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議論を呼ぶ東急電鉄のマナー広告 制作者が語る意図

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東京急行電鉄(以下、東急電鉄)が9月16日より展開しているマナー向上キャンペーン「わたしの東急線通学日記」が話題を呼んでいる。

「わたしの東急線通学日記」は、地方から大学進学のため上京し、東急線沿線に住み始めた女の子が主人公だ。上京したてだからこそ、都会のさまざまな事に気づきやすい彼女の視線を通して、電車の中で触れたさまざまなマナー違反を描く。都会への期待感と、マナー違反に対する正直な気持ちを表現したコピーが、ポスターと動画で、手書き文字で表現されている。

本キャンペーンは、マナー広告としてはさまざまな意味で“実験的”だ。実写で描いている点、個性的なキャラクターを持った主人公を登場させている点、彼女の目線でコピーが展開されている点、主人公の成長ストーリーというドラマ仕立てになっている点(本キャンペーンは全8篇、2017年3月まで続く長期展開となる予定)など。

異色のマナー広告を企画した背景について、「従来のマナー広告は、イラストが中心で『お説教』的になってしまい、印象に残りづらいことが課題となっていた」と、制作を担当した博報堂の女性クリエイターは説明する。「マナー広告はスルーされがちです。だからこそ、広告が目に入った際に、無視されないものをつくるのが目標でした」。コピーに多少強い言葉を入れたのも、上京したての主人公に利用者と同じ目線でメッセージを伝えてもらうことで、共感を呼ぶものにしたい、という意図があったという。

当初はポスターのみの展開の予定だったが、マナー広告の新しい試みとして動画も制作した。マナー違反に触れた主人公が、その気持ちをダンスで表現するという思いがけない展開だ。トレインチャンネルは基本的に無音の放送のため、気持ちを表現するために「動き」が必要だと考え、今回の表現となった。

「歩きスマホ」篇

 

「車内化粧」篇

 

「整列乗車」篇

 

「荷物」篇

 

現在公開されているのは「歩きスマホ」篇、「車内化粧」篇、「整列乗車」篇、「荷物」篇の4篇。着目するテーマは、日本民営鉄道協会のマナーアンケートの結果や、東急電鉄へ寄せられたユーザーの意見から選定しているという。

キャンペーンのタイトルに「日記」という言葉があるように、来年3月までの間、広告ではマナーの向上とともに、主人公が成長していく姿を描いていく予定だ。

実験的ゆえにさまざまな意見が上がることになった本広告だが、東急電鉄では今後もキャンペーンを継続していく予定だという。


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