各メディアと飲食店でのイベントなど、点と点のプロモーションをつなげたのは、本国イタリアで使われていた「CIN CIN(チンチン)チンザノ」という合言葉だ。CIN CINはイタリア語で「乾杯」という意味。音でもブランドをリフレインできる点が古くて新しいという着眼点もあった。
小説やイベント開催時の乾杯の音頭やハッシュタグとしても活用。チンザノブランドの資産が、新たなメディアで活かされた。
Facebookの新機能「カルーセル広告」も活用している。この広告では通常、独立したビジュアルを並べて見せることが多いが、今回は4枚で一つの絵として、乾杯リレーのオリジナル動画を見せた。それぞれのビジュアルをクリックすると、「東京カレンダー」や「Retty」の記事に飛ぶ仕組みだ。このビジュアルの新しさが、クリック率を高めた。
インナーからの期待が高まる
今回のプロモーションでは新たな店舗開拓や売上が拡大しただけなく、予想外の効果もあった。その一つが、同社の営業担当者など社内へのインナーへの効果だ。「Facebook広告のターゲットが30〜40代だったため、小説をクリックして読んだ営業担当者が多かったんです。社内でも話題になり、チンザノに対する期待感が生まれました。今回は首都圏だけでの展開でしたが、今後は全国にもエリアを広めるなど、新たな戦略が考えられます」と、菅原さんは分析する。
「今回のようなインターネットプロモーションは、ワインやスパークリングワインという商材に適していると感じました。今後は、チンザノ アスティというブランドに限らず、他ブランドへの水平展開も可能ではないかと考えています」(三宅さん)。
チンザノというブランドを元に、メディア、店舗の協力はもちろん、ブランド担当者とさまざまな知見を持つクリエイティブチームが創造性とアイデアを持ち寄った結果、これまでとは異なるユニークなプロモーションが実現した。
○企画制作/サイバーエージェント
○映像制作/合同会社C
○CD+企画/二宮功太
○企画/竹中剛
○AD/末永剛
○D/賀谷恭子
○SNSコンサルタント/朴麻美、鳥飼有希
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