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小売業が敗者ではなく、勝者になるための5つのポイントとは?「Demandware Retail Connect 2016」開催レポート

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「市民発の生活美学運動 ~思想の継承と探究~」

登壇者:良品計画 代表取締役会長(兼)執行役員 金井 政明氏

良品計画 代表取締役会長(兼)執行役員 金井 政明 氏

高度成長を遂げた日本は、高度成熟社会を築けなかったのはなぜでしょうか?

私は、この問いから講演を始めたいと思います。1980年、セゾングループの総帥であり文化人でもあった堤清二氏と、そのブレーンであった日本を代表するクリエイターたちが目指したより良い消費社会とより良い生活者の像が「無印」という立場と、「良品」という価値観を生み出しました。

良品計画は、その思想を継承・探究し、日本にとどまらず世界に向けて「感じ良いくらし」について市民の中から考え続けている会社です。

もっと我々の生活を丁寧に、もっと繊細に、もっと簡素に、調和を持った暮らし方をしませんか、ということが私たちとお客さまとのコミュニケーションです。

そんな暮らしを、「感じ良いくらし」と称しています。人の痛みがわかったり、協力できるところは協力したり、そんなくらしや生き方を世界へ持っていきたいということが僕たちのビジョンです。

無印良品では、現在世界28カ国の地域で店舗を展開し、2017年には海外店舗数が国内を上回る状況になります。

高度成長を遂げた日本のGNPを調べると、昨年は490兆円。60年前のGNP は8兆6000億でした。GNPは伸びていても、私たちはどう変わったでしょう?

傲慢、理屈っぽくて、不安しかない。老子の言葉に“無の用”があり、役に立つのは空っぽの何もない空間だという考え方です。ところが僕の部屋はものだらけで、全く何をしているんだろう、という暮らし方になっているような気がします。

豊かになり、ものに溢れ、スマートフォン、インターネットなどで便利になった日本で、私たちは本当の意味での幸福を手にしたのでしょうか。

日本は都市化とグローバル化のなかで、大事なものを失っています。これからの日本には、自然との共生、共同体の再生、クリエイティブ、この3つが重要です。本当に必要なものはしっかり残していくということを僕たち世代がやらなくてはまずいと思っています。

また、日本を変えるのはローカルからと考えています。日本には、空き家をなんとかしよう、シャッター通りをなんとかしよう、あるいは里山をなんとか残そう、という動きが出てきています。その方たちをどんどん紹介し、つなげていくことにも取り組んでいます。

急速に少子高齢化が進んでいる日本では、2050年には総人口は1億人割れとなり、2050年には65歳以上が全体の約4割になると予測されています。

景気やデフレなど、すでに変わる状況ではありません。2050年には今ある会社の半分はなくなるとも言われています。そういったときに、過去の資本主義の構造の勉強をしても、あまり役には立ちません。僕たちの原点と、未来を見ながら考えていくべきでしょう。

言葉が通じないところに簡単に行けて、簡単に友達ができる。クラウドがあれば、そういう社会を作ることができるでしょう。一方で、大きなクラウドを前に飲み込まれることなく、人間の論理でどう活用するかが重要になるでしょう。



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