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コピーライターになるために、いちばん大切なものは何ですか?そんなあなたに、真面目なコラム。

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未経験でも、ポートフォリオをつくる方法があります。

実務での広告作品があったほうがいいのは、当然です。しかし、未経験だからといって、「完全に」あきらめてしまう必要もありません。

コピーライター求人には、数は少ないですが、「未経験者可」というものもあります。もしくは、未経験でも面接に応じる、というニュアンスの求人もあります。

未経験者とはいえ、コピーライター養成講座などのスクールでちゃんと勉強していた人。各種の広告賞に応募して賞を獲得した人。などにはチャンスがあります。その折々で考え抜いて書いたコピーをポートフォリオにのせることは、決してNGではないからです。

公募の賞は、実にさまざまなものがあります。有名どころでは、コピーだけで勝負する宣伝会議賞、ラジオのコピーと企画で応募できる文化放送のラジオCMコンテスト、グラフィック広告をつくって応募する朝日広告賞、などなど。興味のある人は、すぐにチェックをしてみてください。きっとあなたが考えているより、「コピーライターでも広告業界人でもない一般人」が応募できる賞の多さに驚くと予想します。この賞に入賞して、その作品をポートフォリオにのせれば、きらっと光るインパクトになるはずです。

「入賞なんて無理です・・・」と言わず、知恵をめいっぱい絞ってアイデアをひねり出しましょう。なんの努力もしないで、チャーミングなポートフォリオはできませんよ。そのことは明言しておきます。

同世代のデザイナーの方と知り合いになって、友達のお店のオープンのポスターをつくったり、イベントでパンフをつくったりと、「小さな広告づくり」をする手もあります。すごく目立ったり、アイデアフルだったりすれば、見る側の興味を引くことがありえます。

どうやったら、いいポートフォリオができるのでしょう。

広告会社でマネージメントをしている時に、私、もしくは私の部署あてに、相当数のポートフォリオが郵送されてきました。

履歴書・経歴書、御社に入社したいという希望を表明した書類などが同封されています。また、美術大学の講師をやっていたため、デザイナーの卵たちのポートフォリオにも数多く触れてきました。そんな経験から、少しアドバイスをします。

光るポートフォリオは、やはり作品の「質と量」で決まります。順番をつけると、1に質、2に量でしょうか。100点レベルはただ普通に並べるだけで、いいのです。しかし、そうそう、質の高いアウトプットが潤沢にあるわけでもありません。ましてや、未経験であれば、です。

自分で自信のある作品がいくつあるか、がスタートラインです。3つであれば、それをどうページ立てするか。最初に、3連発で見せるのか。バランスよく散らすのか。後ろに配置するのか。そのほかの作品との兼ね合いも考えて、流れをつくってゆきます。編集者がするような仕事ですね。

大事なことは、とにかく「見る側をあきさせないこと」につきます。たったの3、4ページで飽きてしまう方がいらっしゃったことも事実です。

もうひとつ、ポートフォリオができたら、必ず信頼できる人に相談してください。また、もしデザイナーに知り合いがいたら、見せて意見を聞くこともおすすめです。書体やレイアウトなど、見た時の印象はきわめて重要です。

つくったポートフォリオを見て、「ああ、なんだか作品のクオリティがよくないな」と感じたら、ぜひ「質」をあげる努力をがんばってしてください。未経験といえども、熱意のある人はポートフォリオを見れば、その熱が必ず伝わってくるもの。熱もまた、ポートフォリオ力の大切な要素なのです。

コピーライターって変わってきたぞ。40年近くコピーの仕事にかかわってきて、最近、そう実感します。その変化は表層なのか、本質なのか。コピーライターを目指す読者に少しお話したいと思います。では、真面目なコラム、また次回。


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これから、絶対、コピーライター
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