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勇気と自信、取り戻そう――『ブレーン』編集長 篠崎日向子

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『ブレーン』2017年2月号(発売中)では、話題の広告キャンペーンの企画書を大公開

ここ数年、「動画元年」「VR元年」「IoT元年」「サイネージ元年」等々、デジタル周りで「元年」という言葉を耳にする。

しかし、本当に「元年」なのかと言えば、正直なところ、まだこれから。VRは個人体験ゆえに、広告での活用は苦戦中。魅力的なコンテンツが求められている。サイネージは表現の幅も広いが、動画、ポスターなどとは違う表現がまさに模索されている。この領域はアートディレクターがもっと関わってくべきところと考えている。

IoTについては、広告会社が関わる実験的なプロトタイプが増えているが、今後それらが企業にどのように貢献し、ビジネス化していくのか。そこに期待したい。

月刊『ブレーン』が、オンラインビデオアワード「BOVA」を立ち上げてから3年。動画は実験的な試みから運用フェーズに移り、企業のコミュニケーションツールとして定着した感がある。

「拡散する動画」に対するニーズは相変わらず高いが、SNSのターゲティング技術の向上で「見せたいターゲットに深く届ける動画」も登場。「とにかく拡散」のフェーズを抜け出し、目的に応じて動画のクリエイティブやメディアを使い分け、効果に結びつけていく。その傾向は今後強くなりそうだ。

そういう意味では、2017年は本当の「動画元年」になるのではないだろうか。

2015年のエンブレム問題以降、広告・デザインをとりまく空気は大きく変わった。KDDI au三太郎や日清食品のように快走する広告がある一方で、その余波はくすぶり続けていた。

そんな中、行われたリオオリンピック・パラリンピック閉会式の引継ぎ式。セレモニーの演出は世界を沸かせ、東京五輪への期待を膨らませると同時に、日本のクリエイティブの力を世に示す大きな機会となった。しかし、それ以上に大きく貢献したのは、クリエイティブに携わる人たちにクリエイティブの面白さ、ダイナミックさをあらためて感じさせてくれたこと。そして、元気と勇気を与えてくれたことではないだろうか。

せっかく空いた風穴を塞いではいけない。クリエイティブの力を、クライアントも、クリエイターも、受け手も、もっと信じていいと思う。