中山: 「儲かるかどうか」が投資の判断だと思うんですけど、Makuakeの判断は自分が欲しいかどうか。お蔵入りするかもしれないけど、実際に世に出したらウケるかもしれない、というものをどんどん引っ張り出していける仕組みになっているのかなと思います。
小霜:クラウドファンディングは、「これを欲しいと思う人」がどれだけいるかを判断するバロメーターにもなるということですよね。
中山:それを「見える化」することが重要だと思っています。お金以上に重要な、「消費者のお墨付き」を商品が出る前にもらってしまう、ということですね。
小霜:クールに言えば、テストマーケティングとも言えますよね。
ところで、Makuakeさんは銀行と連携していますよね。これはどのような意味があるのですか。
中山:顧客の新製品はどれだけヒットの可能性があるのか、銀行では判断が難しいんです。新製品を作る前に消費者に聞ける仕組みは、融資の与信枠を上げられることにもなりますし、お付き合いしている企業の宣伝、プロモーションのお手伝い、営業支援のような形にもなる。この二つがメリットなので、まさにテストマーケティングとして重宝されているんです。
小霜:合点がいきました。
実はMakuakeさんから僕のクライアントにベンチャー商品の製造依頼もご紹介があったと聞いたのですが、マッチングビジネスの色合いも濃くなってきてますね。それをつなぐのがマーケティングの知見という。
ちなみに、『このセカ』の映画化はMakuakeさんから各所に声をかけたんですか?
中山:実は、映画のプロデューサーから相談されました。目標は2000万円。それだけあれば、宣伝用、営業用のパイロット・フィルムをつくれた。映画の出資を募るためには、見本があった方が興味を持ってもらいやすいですからね。
当時、クラウドファンディングの平均目標金額は100〜200万円だったので、その10倍です。本当に集まるか不安でしたが「これを集めないとこの仕組みの未来はない!」と意を決したんです。最終的には4000万円近く集まったんですけど。
単純に「お金をください」と言っても響かないので、どんな人がこの作品のアニメ化・映画化を、お金を出すほど願ってくれているだろうかと想像しました。原作のファン、片渕監督のファン、アニメ業界をどうにかしたい方、いろんなターゲットを思い浮かべて、その人たちが「どんな気持ち」になったらいいのかプロデューサーとも何度も話した結果、「応援する心をずっと持ち続けてもらうこと」が重要なんじゃないかという結論に至りました。
それであれば、映画化の実現に向けて監督が何年間もかけて取材をした、その汗を見せるのがいいんじゃないか、そこを軸にした文章を書くのがいいのではないかと。これが、想定以上にうまく伝わって、「監督がこんなにがんばっているなら自分が一肌脱がないとダメだよね」と思ってくれる多くの支援者が集まったんです。
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