2017年、メディアをめぐる白熱のポイントを展望する―藤村厚夫氏(スマートニュース)

新たな年を迎えて時間が経った。だがメディアとテクノロジーが交差する分野においては、昨年後半から本質的な議論がなお進行中だ。フェイクニュース旋風の中心にあったアメリカ新大統領は、就任演説で改めて対立の図式を強調することになった。2017年がより各種の対立を顕在化させ、荒々しいものとなるのを予感させるのに十分な滑り出しだ。

本稿では2017年の展望の形式を借りて、これら白熱するポイントを3つに絞って、筆者の論点を述べておきたいと思う。

図 1 対立の構図を激化させる? 新大統領の誕生

最初にその3つをあげておこう。

  1. コンテンツの“質”への視点は深まったか?
  2. メディア事業の継続性を、広告が支えられるのか?
  3. “メディアの姿”が見えなくなる?

それぞれについて、以下で管見を述べていく。

フェイクや低品質コンテンツへの闘いは、さらに続く

「コンテンツの品質問題とは、何を意味するのか」から考えてみよう。ここには重層的な視点が求められる。

まず、いかに“フェイク(偽)”なコンテンツを排除していくかという社会的な取り組みが急がれる。その次に、どうすれば低品質に比し高品質なコンテンツが評価されるかという課題へ向かわなければならない。そして高品質を旨とするメディアが継続可能であるような事業モデルを築くという課題が連なる。

意図された(悪意に基づく)フェイクに対しては早期に発見、摘発する仕組みの構築が急がれる。ネット以前にはありえなかったほどの規模と速度と、そして容易さでフェイクが伝播する時代に入っている。対策にも規模と速度が必要だ。

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藤村 厚夫(スマートニュース)
藤村 厚夫(スマートニュース)

90年代を、アスキー(当時)で書籍および雑誌編集者、および日本アイ・ビー・エムでコラボレーションソフトウェアのマーケティング責任者として過ごす。

2000年に技術者向けオンラインメディア「@IT」を立ち上げるべく、アットマーク・アイティを創業。2005年に合併を通じてアイティメディアの代表取締役会長として、2000年代をデジタルメディアの経営者として過ごす。

2011年に同社退任以後は、モバイルテクノロジーを軸とするデジタルメディア基盤技術と新たなメディアビジネスのあり方を模索中。2013年より現職にて「SmartNews(スマートニュース)」のメディア事業開発を担当。

藤村 厚夫(スマートニュース)

90年代を、アスキー(当時)で書籍および雑誌編集者、および日本アイ・ビー・エムでコラボレーションソフトウェアのマーケティング責任者として過ごす。

2000年に技術者向けオンラインメディア「@IT」を立ち上げるべく、アットマーク・アイティを創業。2005年に合併を通じてアイティメディアの代表取締役会長として、2000年代をデジタルメディアの経営者として過ごす。

2011年に同社退任以後は、モバイルテクノロジーを軸とするデジタルメディア基盤技術と新たなメディアビジネスのあり方を模索中。2013年より現職にて「SmartNews(スマートニュース)」のメディア事業開発を担当。

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