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ニューヨークに登場したグーグルのポップアップ・ストア現地レポート(前編)

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りばてぃ
Liberty & Friends, Inc.代表

ニューヨーク情報及び、海外情報に精通したマーケティング・コンサルタント。ブログ「ニューヨークの遊び方」を運営。企業向けのコンサルタント業務他、各種メディアへの執筆も多数あり。著書に、『ニューヨーク在住の日本人マーケティング・コンサルタントが語る「日本のビジネスに本当に必要なこと」』(2016年、幻冬舎)がある。


2016年のホリデーシーズン、ニューヨークにあのグーグルが期間限定で直営の路面店、いわゆるポップアップ・ストアをオープンした。しかも、その出店地は、一流ブランドの旗艦店やアートギャラリーなどが立ち並び、ファッショニスタやクリエイターらが集う「世界の流行の発信地」とも評されるSOHO地区だ。

かつては運河沿いの倉庫街だったこのエリアには、現在でも石畳の道やキャストアイロン建築など歴史を感じさせる建物が数多く残っており、ファッション誌や各種CMなどのロケ地としても人気のエリアである。このような背景から、トレンドに敏感な企業などが特別な店舗を出店することが多い地区でもある。

皆さんもご存知のとおり、そもそもインターネット上で各種サービスを提供するグーグルには、実店舗を出す必要性はほとんどない。

実店舗は人件費、家賃、光熱費などのコストが大幅にかかる割に、その店舗の周辺エリアの人々(物理的にその店舗を訪れることが可能な人々)だけにしかリーチできない。インターネットが接続できれば世界中の人々を集客可能であるインターネット上で完結するサービスを提供する企業が、実店舗を出店することは費用対効果が悪いと考えられていた。

しかし近年、アメリカではインターネット上でのビジネスを提供してきたIT企業が、新たな広告・ブランディング戦略(体験重視のブランディング)の一環として、実際の店舗をオープンし、物理的なプレゼンスを持つ事例が増加。さらにワービー・パーカーのようにEコマースからスタートし、実店舗を組み合わせるケースも登場している。

そうした背景もあり、2014年春頃から、IT系雑誌や地元メディアなどが、グーグルがニューヨークのSOHO(しかも、アップルストアのすぐ近く)に初の旗艦店を出すのではないかと報じていた。

そして、ついにグーグルがニューヨークで初めて出した路面店が今回のポップアップ・ストアだ。各種メディアの注目を集め、ただ単にIT企業が期間限定店を出したというだけではなく、歴史的な出来事として話題になった。その店内の様子は次回へ。