炎上騒動の起点は個人の発信
ソーシャルメディアの普及により、消費者の怒りがネット上で可視化され、「炎上」と呼ばれるような騒動になるケースが増えてきています。
特に2016年はネット炎上の歴史のなかで、社会的にインパクトが大きかった騒動が複数起こった年だと思います。なかでも、その代表的な事例がPCデポとDeNAによる2つの炎上騒動でしょう。
PCデポの炎上騒動は、1人のツイッターユーザーが起点となって炎上が始まり、そのユーザーのPCデポ訪問に同行したライターのヨッピーさんのYahoo!ニュースに寄稿した記事などで騒動がさらに拡散し、結果的に非常に大きな騒動となりました。
コラム著者の徳力基彦氏の新刊『顧客視点の企業戦略』(Amazon)が公表発売中。
一方でDeNAの方も、1人のライターが提示した医療メディア「WELQ」への問題提起が起点となって始まり、複数のライターやメディアが連続してDeNAのメディア運営の問題点を指摘し続けたことで、最終的にはネットメディア業界全体を揺るがすような大きな炎上騒動となりました。
参考:DeNAコピペメディア騒動の背景にある5つの病の連鎖を考える
この2つの騒動では、まず炎上の起点が個人の発信によって始まっている点が特徴的と言えます。
従来であれば、こうした問題提起やクレームは、お客様サポートセンターなどに電話で指摘され、企業側が対応することで収束する、もしくは企業側が対応をしないことに対してクレームをした側が、不満を溜め込みつつも泣き寝入りをする、というケースが多かったと思われます。
