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PCデポ、DeNA…炎上騒動が拡大してしまう企業に共通する特徴とは?

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炎上騒動が拡大してしまう企業の共通点

こうした炎上騒動が拡大してしまう企業に共通する特徴として想像されるのが、顧客視点ではなく企業視点、つまり企業内部の論理で物事が決められている印象が強いという点です。

PCデポの炎上騒動においては、問題提起をしたツイッターユーザーの認知症の父親に、個人としてはおよそ不釣り合いな契約を推奨していたことが問題になりました。それにも関わらず、PCデポ側は契約したのは顧客自身であるため違法ではないという姿勢を崩さず、強気な対応を続けていた印象があります。

ただし、一般的な顧客視点で考えたら、高齢者である個人に10台分のサポート契約を行うというのは誰がどう聞いても不適切で、それが法的に問題ないと主張する企業に対して良い印象を持つことはできないわけです。

DeNAの炎上騒動においても、初期の頃に問題になったのは、医療メディア「WELQ」における医療関係の記事の問題が中心であり、DeNAが運営するメディア全ての問題ではありませんでした。ただ、DeNA側がその場しのぎの中途半端な対応を続けてしまった印象があります。

おそらくDeNA側としては、所詮一つの記事への特殊な問題を指摘されただけであり、一つひとつ改善していけば許されると思い込んでいたのでしょう。一般的な顧客視点で考えれば、そのDeNAの対応姿勢こそが問題視されていると気づくべきだったのですが、報告書を見る限り、そうした外部の声に耳を傾ける余裕がない状態になっていたようです。

実は、こうした企業内部の論理で物事が決められてしまうことが炎上騒動を拡大することにつながるのは、何もネット炎上事例だけに共通する特徴ではありません。

昨年から悪いニュースが次々と連鎖して、過去最大の赤字を出すことになってしまった東芝においても、社内目標を達成するための「チャレンジ」と呼ばれる厳しいプレッシャーが不正会計の背景にあったことが明らかになっています。同じく昨年話題になった三菱自動車の燃費不正問題においても、社内の厳しい燃費目標を達成するためにデータの改ざんが常態化してしまっていたことが明らかになっています。

参考:三菱自動車や東芝の不正騒動から学ぶべき、大企業病の恐ろしさ

顧客視点で考えるのではなく、社内の論理に盲目的に従ってしまうこと自体が、実は不祥事や炎上を生み出す温床になっていると言えるのです。

逆に言うと、炎上騒動を乗り越えるためにも必要なのは、顧客視点での対応を真剣に考えることだと言えます。

まるか食品がペヤングの異物混入で炎上してしまった時、同社は製造ラインを止めて商品の販売を中止し、10億円以上のコストを投下して製造ラインを一新するという、顧客視点で見てもビックリするほどのすごい対応をしました。

その結果、ペヤングファンは販売中止の間も離れることなく、販売再開を待ち続け、再発売の折には品切れになるほどの大きな話題になっています。

炎上騒動が拡大してしまうのは、炎上の種であるボヤ騒動の段階で、顧客視点で見た場合の顧客が期待している対応を超える対応ができるかどうかにかかっていると言えます。その段階で企業の論理を優先した対応をしてしまうと、ボヤが延焼して本格的な炎上騒動になってしまうのです。

そういう意味で、前述の炎上した企業が顧客からの信頼を回復できるかどうかも、今後、顧客の期待を超える対応をし続けることができるかどうかにかかっていると言えるでしょう。

今は他人事として見ている炎上事例も、何かのきっかけで皆さんの会社で起こるかもしれません。ぜひ、その際に顧客視点で対応を考えることができるかどうか、今から考えてみてください。

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