コラム

藤村厚夫のメディア地殻変動

「広告の終わり」が始まった、邪魔ものからの変身は可能なのか?

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「広告」から遠ざかる消費者

Forresterレポートに掲載されたインフォグラフィックを見ると、消費者が広告からどんどん遠ざかっていることが理解できる。主に、以下の内容がまとめられている。

「全米の成人消費者の約4割が広告ブロック機能を使用」
「同上ディスプレイ広告の平均CTR(クリックスルー率)は0.35%にすぎない」
「7割近くが、見知らぬ評価者の情報は信用する一方で、5割以上が広告を信用しない」

まさに広告は「嫌われもの」に転落したあげく、別の稿(「大手広告主の予算凍結事件が突きつけるもの。メディアが生み出す文脈的価値とは何か?」)で述べたように、大手広告主らからも嫌われ、予算凍結といった末期的な現象さえ生じるに至っている。

実際、広告ブロック問題を継続的に調べているPageFairによる調査では、2016年の間にも広告ブロックを利用するモバイル端末は、世界で1億台以上増えている。

図3 PageFair「2017 Adblock Report」

厳密に言えば、広告はディスプレイ広告から順に「終わり」に向かって歩んでいるともいえそうだ。

「そうは言っても、世界のデジタル広告は伸び続けているではないか」との声も聞こえてきそうではある。

だが、その増分はほぼFacebookとGoogleの広告売り上げに等しいとする分析もある(「米ネット広告売上が22%増と急成長なのに、グーグルとフェイスブック以外のメディア会社がゼロ成長なのはなぜ」)。

そして、Forresterレポートの理解は、こうだ。

Googleは約800億ドルもの収入を消費者の検索行動を邪魔することで得ており、Facebookは約300億ドルを知人らとの交流を邪魔する広告によって得ている。

当然ながら、消費者の選択はこのような邪魔されることによって成立する広告ビジネスの影響圏から可能な限り遠ざかろうとすることだ。

次ページ 「広告の未来はあるのか?」へ続く

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