【前回のコラム】「ACC賞が名称変更、なぜ賞の名前から「CM」が消えたのか」」はこちら
ACCが主催するアワード「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS(ACC賞)」。2015年から2年連続でACC賞マーケティング・エフェクティブネス部門(以下、ME部門)の審査委員を務め、今年はACC史上初の女性審査委員長に就任したKDDI コミュニケーション本部 宣伝部 部長の矢野絹子さん。ME部門の特徴や意義、審査ポイントなどとともに、広告主として広告賞に関わることへの気持ちを聞いた。
KDDI コミュニケーション本部 宣伝部 部長 矢野 絹子氏
日本移動通信(IDO)入社。KDDI発足以降、主にコンシューマ事業における料金施策やサービスの企画・開発を担当した後、2013年4月より現職。auならびにKDDIに関するブランディングやコミュニケーション活動を担当。
日本移動通信(IDO)入社。KDDI発足以降、主にコンシューマ事業における料金施策やサービスの企画・開発を担当した後、2013年4月より現職。auならびにKDDIに関するブランディングやコミュニケーション活動を担当。
広告主とクリエイターの両サイドからジャッジ
—まずはACC賞の「ME部門」の特徴と、審査の軸について教えてください。矢野:
ACC賞の「マーケティング・エフェクティブネス(ME)」部門の特徴は、広告主とクリエイターが一緒になって「広告効果・成果」とは何かについてとことん議論することです。広告主サイドは、自分自身が事業の課題を抱えて広告活動をしているので、エントリーされたものに対して共感が持てるのです。「なるほどこの課題だからこういう手を打つのね」と唸らされるんです。
一方でクリエイターの審査委員から見ると、「効果はあったかもしれないけど、クリエイティブ的には新鮮味がないね」ということもあったり、逆に「成果は見えにくいけど、クリエイティブ的なジャンプがすごい」という意見があったり。それを聞いて初めて、お互いに理解できることがあります。さまざまな視点で審査できるのがME部門の特徴です。
今年も、これまでの審査方針を大きく変えることはありません。事業が抱える課題に対して、マーケティング戦略と、それに掛け合わせるクリエイティブの力でどのような成果を出しているのかを審査する。ACCは新しく「日本の産業を、クリエイティビティでアップデートする」という大きな取り組みを始めました。ME部門についても、マーケティングの手法論に走らず、改めて「マーケティング×クリエイティブ」を大事にしたいと。しっかりクリエイティブの新しさや良さを重視しながら、審査を進めていきたいと思っています。