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改善点がわかる!DMのリバース・エンジニアリング

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【前回】「成果を押し上げるDMクリエイティブ、「7つのMUST」とは」はこちら

ダイレクトメール(DM)の企画からクリエイティブ、発送、改善に至るまで幅広い実務知識を体系的にまとめた『新DMの教科書』(日本ダイレクトメール協会著)が発売となりました。本連載では、執筆者が交代で本書のポイントを紹介するとともに、現在のDMメディアの姿を伝えていく予定です。今回は、フュージョン株式会社 吉川 景博氏が「DMのリバース・エンジニアリング」に迫ります。

優秀なDMは共通して押さえている点がある

高いレスポンスを獲得できるDMのクリエイティブには、必ず押さえている共通点があります。それは、DMを受け取るターゲットの行動・心理を予測し、してほしいアクションを促す設計ができていること。そうしたDMの設計に必要な要素を9つに分けて解説していきます。これから説明する「DMのリバース・エンジニアリング」という手法から、9つの要素それぞれの役割を意識し、企画・立案することが、効果的なDM制作への近道となります。

リバース・エンジニアリングとは

DMの改善、またDMを提案する段階において、「リバース・エンジニアリング」という手法を用いることで、DMの改善ポイントが明確になり、より効果の高いDMづくりのヒントをつかむことができます。

そもそも「リバース・エンジニアリング」とは、ソフトウェアやハードウェアなどを分解、あるいは解析し、その仕組みや仕様、目的、構成部品、要素技術などを明らかにすることです。その解析、分解を「DM」に対して実践しようというわけです。

実際に自分宛に届いたDMや、過去実施したDM、またはこれから制作予定のDMについて、リバース・エンジニアリングすることにより、そのマーケティング的意図やクリエイティブ面の工夫を分析(エンジニアリング)し、改善点を見出すことができます。

その効用は次の通りです。

  • ・できあがっているものを、作り手の視点で戦略レベルまでさかのぼることで、「実践⇔論理」の読み替えが可能となる。
  • ・1通のDMを介して、コンセプトメイキング(戦略立案)、ベネフィット設定、オファー設定、顧客セグメント、コピーライティング、クリエイティブなど、さまざまなことを学ぶことができる。

まず身近なところから、自分自身に届いたDMを今までと違う目線でとらえてみましょう。そして、そのDMがどのように作られたのかを自分なりに分解し、解析することでそのDMの課題や改善点などが見えてくるようになります。

「9つの要素」でみるDMのリバース・エンジニアリング

それでは、どのような要素でDMをリバース・エンジニアリングするのか、ここで「9つの要素」を解説します。たった9つですが、このなかには効果的なDMづくりにおいて大切なポイントが詰まっています。また、この要素はDMに限ったことではなく、さまざまなダイレクトレスポンス広告においても同じように改善点を見出すことができます。

9つの要素でDMをリバース・エンジニアリングする

出典:「DMマーケティングエキスパート」セミナーより

差出し手である企業は、目的を達成するために市場を研究し、戦略を立て、正しいターゲットに、伝わりやすい方法や表現で販促施策に打って出るものです。その成果物として顧客に届いたものがDMです。良い成果が出たものであれば、「9つの要素」に対する答えは明快であるはずです。施策が思ったように効果を上げられなかった場合は、あらためて9つの要素を見直し、何が良くて何が悪かったのかを、仮説を立てて検証することが成功するDMへの近道となります。

DM施策を企画するにあたり、最も大事なことは、サービスや商品、提案内容など、顧客に最も伝えたいことがきちんと「伝わる」かどうか、そして「行動」してもらえるかどうか、です。DMの役割や特徴を十分に理解したうえで、効果の上がる「伝わるDM」を実践していきましょう。

新DMの教科書』には、ここで記載したDMのリバース・エンジニアリングについての9つの要素について詳しく解説しています。また、「DM施策の運用と評価」の章では、DM効果検証においての「施策評価の方法」や、「DMの企画立案」から「プロモーション年間計画の組み立て」まで、DMの実務を体系的に学べます。

(DMを解析し説得力のある企画や営業を行えるプロの証「DMマーケティングエキスパート資格」が取得できる2017年度DMマーケティングエキスパート認定資格試験についてはこちら)。

吉川 景博 
フュージョン株式会社 プランニング/ダイレクトプロモーショングループ営業企画部部長

1993年大手小売業入社。マーケティング部門にて広告全般を担当。主に顧客戦略策定、FSP開発、データ分析など、顧客データを活用したプロモーションを実践。現在は、企業のマーケティング戦略立案、営業支援などを請け負う。全日本DM大賞多数入賞。米DMA公認ダイレクトマーケティングプロフェッショナル。全日本DM大賞審査委員。

 


新DMの教科書 「DMマーケティングエキスパート」認定資格公式テキスト
日本ダイレクトメール協会著/宣伝会議刊行(2017年7月10日発売)

広告メディアとしてのDMについて、企画からクリエイティブ、実施に至る幅広い実務知識を体系的にまとめた1冊。日本ダイレクトメール協会の「DMマーケティングエキスパート」認定資格公式テキストとして、業界標準の実務能力を示す資格試験受験にも活用いただけます。「DMマーケティングエキスパート」とはDMマーケティングのプロたる証で、取得すれば知識の習得からクライアント先での信用度に貢献するメリットが生まれます。

2017年度の試験についてはこちら

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